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THE KING OF FIGHTERS '97 ストーリー 概要 モード ADVANCED(ADV) EXTRA(EX) キャラクター その他の特徴 問題点 暴発する必殺技 暴走、崩壊のキャラバランス 凶悪過ぎるコマンド投げ バグの多さ 演出面の変化 評価点 総評 家庭用移植 余談 THE KING OF FIGHTERS 97 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃせぶん】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 アーケード(MVS) 販売・開発元 SNK 稼動開始日 1997年 プレイ人数 1~2人(同時プレイ) レーティング CERO B(12歳以上対象) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2011年9月6日/900Wiiポイントアーケードアーカイブス【PS4/One】2017年11月2日/823円【Switch】2018年7月26日/823円(税8%込) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 必殺技が暴発し過ぎ暴走、崩壊のキャラバランス恐怖の暴走庵システムは後の基礎に熱いストーリー展開は高評価 KOFシリーズ関連作品リンク ストーリー 決勝戦直後のハプニングをもって幕を閉じた「KOF 96」大会。ハプニング自体の概要は何者かによるテロ活動と、それに付随して発生した事故と発表され、その何者が「誰」であって「何のために」そのようなことをしたのか、そしてその何者かがどこへ消え去ったのかは、謎のままに処理された。 しかし、こうした事件にもかかわらず、「KOF 96」大会は興業的には大成功を収めた。しばらく後、折からの格闘ブームを受けてそれらに興味を示した巨大企業数社がスポンサーの名乗りをあげ、「KOF 97」大会の開催を熱望。世界各地でも同じような動きが起こり、程なく今年も大会は開催の運びとなった。 開催決定と同時に世界の格闘家達も各予選会場に結集し、ある者は「己の力を試すため」に、またある者は「富と名声のため」にと、様々な思いを胸に予選大会に臨んでいった。様々なメディアを通じて、熾烈を極める予選大会を目にする格闘ファン達。その予選大会と並行して世界各地に次々と設置されていくKOF闘技場。自然「KOF 97」大会に寄せる期待は並々ならぬものとなり、今大会が前年と同様にすさまじい盛り上がりを見せようとしているのは、誰の目にも明らかなものとなっていた。 全世界が期待するこの大会に優勝し、「KOF」の栄冠を勝ち得るのはどのチームとなるのか?そして、前大会のような予期せぬアクシデントが今大会にも待ち受けているのか?世界がこの大会に全神経を集中させようとしていた…。 概要 SNKの対戦格闘ゲーム『KOF』シリーズ第4作目であり、『KOF 95』からメインストーリーとして展開された「オロチ編」の最終章。 スペシャルチームとして、「ファミ通」「ゲーメスト」「ネオジオフリーク」の三誌における人気投票で選ばれたキャラの参戦もある(*1)。 オロチ編の終章と、格ゲーブーム真っ最中の中で出されたため非常に人気は高いが……。 モード キャラクター選択前にADVANCEDモード、EXTRAモードという2種類のシステムから1つを選ぶ。 前者は『 96』をベースに、新方式のパワーゲージを採用したシステム。後者は『 94』『 95』がベースのシステム。 ADVANCED(ADV) 半永久的にストック可能なパワーゲージが登場。ストック毎の必要量が大きいが、扱いやすさは折り紙つき。 通常技・必殺技をヒットorガードさせる(必殺技は素振りでも可)等の行動をとるとゲージが溜まっていく。こちらの被ダメージ、ガードした時も微弱ながら溜まる。一定値が溜まるとゲージストックが1つ装填される。最大ストック数は3つ。 各種攻撃行動で能動的にゲージを溜める方式は、同社の『リアルバウト餓狼伝説』以降の『餓狼伝説』シリーズのものに近い。 パワーゲージは超必殺技、「A+B+Cボタン同時押し」でのパワーMAXの発動、ガードキャンセル(ふっ飛ばし攻撃or前転・後転)に使う。それぞれ、1回につきストック1つ消費。 このゲージでのパワーMAX発動時は攻撃力が1.25倍。この間は超必殺技が強化版のMAX超必殺技に変化するが、発動中は一時的にゲージが増えなくなりカウンターヒット判定をとられやすくなるというデメリットもある。 「A+B同時押し(+レバー)」で緊急回避。無敵時間付きの前転・後転動作を行う。無敵時間は『 96』よりも伸びている。 通常投げで掴まれた時にA+Bボタン同時押しで投げ技外しが可能。 前ダッシュはRunタイプ。レバー操作は「→→」だが、2回目は長く押し続けた分だけ走り続ける。 通常ジャンプの他に、小・中・大の特殊ジャンプが3種類あり、それぞれレバー上下の入れ方で軌道の高度やスピードが異なる。 EXTRA(EX) 前作までのパワーゲージを採用。厳密な共通仕様は『 95』に近いが、挑発でゲージが減らなくなった。 攻撃を受けるか、「A+B+Cボタン同時長押し」でパワーを溜めることが出来る。ゲージが満タンになると自動的にパワーMAX状態に移行。 パワーMAX時の攻撃力は1.5倍。被攻撃によって受動的に発動した場合は1.125倍になるが、持続時間が長い。この間は通常の超必殺技とガードキャンセル(ふっ飛ばし攻撃or前転・後転)を1回だけ使用できる(使用時にパワーMAXは解除される)。 体力が1/8以下になると体力ゲージが点滅し、超必殺技を使い放題になる。体力点滅かつパワーMAX時にのみ、MAX超必殺技が使える。 本作では体力減少の基準がかなり厳しくなった。 「A+B同時押し」で攻撃避け。その場で全身無敵になるが投げは食らう。『 95』にあった「カウンター攻撃」や投げ技外しは使えない(*2)。 前ダッシュはステップタイプ。空中にいる扱いではあるが、本作では空中用の必殺技や特殊技を一切出せない(これはADVでも使えるバックステップも同様)。 次回作『 98』以降では共通して空中用の必殺技は出せる仕様となっている(空中用の特殊技は作品により可否が分かれる)。 通常ジャンプの他に飛距離が2倍になる大ジャンプが使えるが、中ジャンプは使用不可。 キャラクター + キャラ一覧 * 印は新規参戦、 * は復活キャラ 主人公チーム 草薙京 二階堂紅丸 大門五郎 餓狼伝説チーム テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー・ヒガシ 龍虎の拳チーム リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ 怒チーム レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル サイコソルジャーチーム 麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎 女性格闘家チーム 神楽ちづる 不知火舞 キング キムチーム キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ 97スペシャルチーム ブルー・マリー * ビリー・カーン * 山崎竜二 * ニューフェイスチーム 七枷社 * シェルミー * クリス * エディット専用 八神庵 矢吹真吾 * 隠しキャラ 94草薙京 * (*3) 中ボス(隠しキャラ) ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(暴走庵) * ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ(覚醒レオナ) * オロチチーム(隠しキャラ) 乾いた大地の社 * 荒れ狂う稲光のシェルミー * 炎のさだめのクリス * ラスボス オロチ * (一部家庭用のみ使用可能) 9チーム+2キャラ+隠しキャラ6人、35人の使用可能キャラ+ラスボスであるオロチ。 前作からストーリーの都合や、それとは関係なしに藤堂香澄、マチュア、バイス、ボスチームの3人がリストラ。 女性格闘家チームの香澄の抜けた穴には、『 96』で中ボスだった神楽ちづるが入っている。 旧チームメイトの抜けた八神庵は無所属のエディット専用キャラクターとなった。 前述の三誌の人気投票で選ばれた 97スペシャルチームは、ファミ通から山崎竜二、ゲーメストからはブルー・マリー、ネオジオフリークからはビリー・カーンの三名で構成されている。見ての通り、全員『餓狼伝説』シリーズのキャラ。 この時に、過去のKOFで既に何度か背景に登場していた、餓狼シリーズのダック・キングの名も挙がっていたがブルー・マリーに敗北。『2000』にストライカー専用キャラ(準使用キャラ)として登場し、『XI』にてようやく使用キャラに昇格した。 ビリーは『 95』でKOF初登場→前作でリストラと遷移していたため、シリーズ初の復活キャラとなった。 山崎はKOFに参戦するに当たり「オロチ八傑集の一員だが、オロチ復活には興味がない」というオリジナルの設定が付加されたが、これは両作品のファンの両方で賛否両論であった。これは八傑集が一人足りないため、KOFのスタッフが餓狼スタッフに頼み込んで追加されたものだと言われている。そのため、ファミ通の人気投票は出来レースだったのでは?と言われる事もあるが、憶測の域を出ない。 奇しくも、山崎とマリーは2人揃って、『 95』の主人公チームのホームステージ(江坂ネオジオランド)に登場していた。加えて先程記した通り、『 95』はビリーのKOFデビュー作でもあった。 雑誌上で行われた投票対象キャラは基本的に同社SNKのキャラ全員が対象であったが、例外として『サムライスピリッツ』シリーズ(サムスピ)の黒子以外と『キング・オブ・ザ・モンスターズ』シリーズ(KOM)の全キャラは世界観が異なる理由で対象外となっていた。また、前作『 96』に登場していたキャラも全員投票対象外であった(ストーリーの整合性を保つ理由だと思われる)。 完全新キャラはエディット専用の矢吹真吾、ニューフェイスチームの七枷社、シェルミー、クリス。 矢吹真吾は草薙京の押しかけ弟子で、炎こそ出せないが京から(適当に)教えられた草薙流古武術で戦うという、『ストリートファイターZERO』シリーズのさくらとダンを足して2で割ったようなキャラ。ゲーム中の性能は設定相応でかなり低めだが、コミカルかつ真っ直ぐで純粋なキャラ、子安武人氏による三枚目でコミカルな演技から人気を博した。 ニューフェイスチームは庵に個人的な恨みを抱いているバンド三人組という一見格闘技と無縁にも見えるトリオ。しかし、ストーリー中に明かされるその正体は驚きのものだった。 + ニューフェイスチーム正体ネタバレ 彼ら3人の正体は、『 96』で死亡したゲーニッツを含むオロチ四天王の残りの3人である。中ボス・オロチチームとして登場する際は四天王の本性を表し、普段の人当たりの良い様子とは一変した残忍な性格に変貌する。 その他の特徴 本作における必殺技コマンドは、インストカードの表記よりもかなり短い短縮コマンドでの入力が可能となっている。これに伴ってレバー認識も非常に甘く、必殺技が非常に出やすくなっている。 例として、「2141236+P」は「216+P」、「6321463214+P」は「3434+P」で入力できるようになっている。 上記のように大幅にコマンドを短縮する場合、斜め部分を長めに入力しないと失敗する。このことから、恐らく内部的に設定された短縮コマンドだけではなく、斜め方向の入力がその両隣の方向の入力として認められる(*4)仕様が存在すると思われる。 しかし今作ではこのレバー認識の甘さが少々行き過ぎたために…(問題点へ)。 チーム内において、ストーリー上の設定やキャラの性格などに基づいた相性が設定されている。 本作ではこの相性の影響する要素が増えており、従来の「つかみ技・気絶時の援護確率」だけでなく、「ADVANCEDモード選択時、あるキャラがK.O.されたときに次に出てくるキャラに引き継がれるゲージの数」が変化するようになった。 相性のいい組み合わせであればゲージの残りストックがひとつ増え、相性が普通の場合はストックがそのまま、相性が最悪の場合ゲージがゼロになってしまう。例えば嫌われ者である庵や山崎を一番手にした場合、試合の中でどれだけゲージを稼いでいても、ほとんどのキャラがそれを引き継ぐことができず、二番手はパワーゲージがない状態から始まる。 パワーゲージの多寡は戦力に直結する。したがってキャラ相性が非常に重要となり、キャラクターの選択、順番にもこれまで以上の戦略性が生まれた。強キャラだけで固めるのが必ずしもよいとは限らない、という意図であった。 二人目以降のキャラクター選択時にCボタンを押すことで、直前に決定したキャラクターとの相性を確認可能。 挑発の操作がスタートボタンに変更された。 超必殺技発動時に一時停止・画面が暗転する演出が導入された。これにより出したのがすぐバレてしまうため超必殺技を奇襲に使えなくなったというデメリットも生じる事に。 ガードキャンセルで出せる動作は、前作『 96』では前転・後転のみであったが、本作からふっとばし攻撃がガードキャンセルで出せるようになった(一方『95』で猛威を振るったガードキャンセル必殺技の反省か、ガードキャンセルで出した場合ダメージがごく僅かになる)。 空中ふっとばし攻撃が上段判定に変更され、しゃがみガードが可能になった。 カウンターヒット時の吹っ飛びが小さくなり、前作『 96』に比べて追撃が難しくなった。 前作『 96』で削除されていたレバー+ボタンの特殊技が復活。更に本作では通常技キャンセルからも出せるようになり、一部の特殊技は必殺技でキャンセル可能となっている。 気絶耐久値とガード耐久値の仕様がやや特殊で、時間経過で少しずつ回復するのではなく、ある条件下で一定時間が経過すると全快するというものになった。 気絶耐久値は攻撃をガードしたり食らったりせずに2秒(120フレーム)経過で、ガード耐久値は攻撃をガードせずに一定フレーム(キャラによって異なる)経過すると全快する。 この仕様は『 98』まで採用されている。 「特殊エディットチーム」の追加。デフォルトチームの組み合わせだけでなく、特定のメンバーで構成したチームでクリアすると、隠しエンディング流れる。一つのやり込み、隠し要素。 そのうち1つがエディット専用キャラ「矢吹真吾」の固有エンディング。条件は「真吾・京がおり、かつ庵orレオナの通常版がいない(*5)エディットチーム」でクリアすることになる。 いわゆる「三種の神器チーム(草薙京・八神庵・神楽ちづる)」にも固有展開はあり、オロチ編を締めくくるのに相応しいドラマチックな内容が繰り広げられる。 今まで設定資料でしか見れなかった京の彼女「ユキ」もこのエンドで登場し、台詞が聞ける(*6)。 他にも、先程紹介した雑誌投票で選ばれた3人それぞれを主軸にした特殊エディットチームも投票を行った計3誌分存在する(*7)など、探して、見る楽しみがあり面白い。 シリーズで初めて「キャラクター使用率」のランキングが搭載された。対戦での連勝数とCPU戦クリア時の最終スコアそれぞれのランキング同様、非プレイ時のデモ画面で確認できる。 この使用率ランキングは続編『 98』で一旦削除され、その後は『2001』や『 98UM(FE)』『2002UM』といったリメイク作などで復活したりその後また削除されたりと、搭載された作品がまちまちである。 問題点 暴発する必殺技 前作『 96』では必殺技のコマンド入力が厳しかったが、本作における短縮コマンドの導入は「出しやすい」を通り越して「暴発しやすい」。 必殺技の先行入力を受け付ける仕様である上にコマンド受付時間が長めに取られている事も、この傾向に拍車をかけた。 例えば、「41236+P」の簡略コマンドである「16+P」は、「相手の技をしゃがみガードした後、少し前に歩いて通常攻撃で反撃」という入力操作と被る。 メーカーとしては、それまでの技の出しにくさを改善し、プレイヤーの裾野を広げたかったという意図かもしれないが、それなら乱入拒否or使用時のサインありきで必殺技のオートモードを採用するなど、やりようは幾らでもあったはずである(*8)。 またこの仕様の影響を別の意味で受けたキャラにはアンディがおり、コマンド投げの激壁背水掌(41236+P)の簡易入力コマンド(16+P)が斬影拳と被ってしまっている為、激壁背水掌を出す為にはしっかりと41236と入力しないと斬影拳が暴発してしまう。 暴走、崩壊のキャラバランス 即死連続技・永久コンボを持つキャラたちこれらは過去のKOFにも数多く(特に『 95』)存在していたのでこの作品だけの問題点と言うわけではないのだが、なまじオロチ編最終章として盛り上がりを見せていた時期だけあり特に槍玉に挙げられる事となった。 テリー・ボガード 弱パワーチャージ>(しゃがみ弱P空振りキャンセル)>パワーチャージ×∞。 空振りキャンセルで必殺技を出すと、空中の相手に追撃できるフラグが復活してしまうので、このような現象が起きる。 しかも、パワーチャージ自体も発生がそこそこ早く間合いが近ければ小技からも繋がり隙も小さい上に永久を封印したとしてもヒット後に追い打ちは可能いう、明らかに「ローリスクハイリターン」なバランス崩壊技。そして永久ありの場合だと、ローリスクに出せてかつ一度決まってしまえばその時点で勝ちが決まってしまう。ちなみに実際にこのコンボを決めると、途中で相手が気絶しまた繰り返し、という流れになる。 難易度も簡単なうえ実戦的な内容故に、後述する暴走庵などの隠しキャラの隠しコマンドが発見される前から猛威を振るっており、対戦バランス崩壊へと招く結果となった。前作『 96』で最弱候補だったのが嘘のよう。 草薙京 画面端で(空振りキャンセル)強七拾五式改×∞。原理はテリーのものと同じ。 同じ技で永久ができた『 95』とは異なり、こちらは前述のテリーのものより状況が限定されるうえ難易度が高い。 山崎竜二 砂かけ→蛇使いキャンセル×n、が永久。 これも上記のものと同様に難しいうえ操作が忙しい。しかしながら、砂かけ前に立ちB(キャンセル)を挟んだりすると難易度はやや下がる。 他にもキングやジョー東が永久コンボを持っている(前者は高難易度、後者は空中ヒット始動と状況が限定されているが)。 以下は隠しキャラなのだが、アーケード版でも使用でき、その性能は実に壊れたものになっている。これらの隠しキャラを使っての遊戯を禁止するというゲームセンターも見受けられた。 ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(通称:暴走庵) 本作のバランス崩壊の象徴であり本作を語るにおいて欠かせない存在。 スピードがやたら速い上に攻撃力もボス仕様のまま高い。小ジャンプ攻撃(特に強キック)を出しているだけで相手は殆ど何も出来なくなってしまう。 難度は高いが屑風→ダッシュ近強P>キャンセル屑風→ダッシュ近強P……で永久。 暴走版はADVANCEDモードでは特殊技を空振りしてもゲージが溜まるため、バックジャンプ百合折りを繰り返すだけでゲージを溜められる(*9)。 もともとシステム上においても強力(詳しくは後述)なコマンド投げ持ち、元から低くて速いジャンプから繰り出される強力なジャンプ攻撃を始めとした性能の高い通常技群、画面端まで届く飛び道具、無敵技、コンボに簡単に組み込める超必殺技などがある通常の庵の基本性能が高いことに加えての上記の仕様である。 強いて欠点を挙げるなら、ADV限定だが、キャラ相性が多くのキャラと最悪なせいで「殆どのキャラから/に、ゲージを引き継げない/引き継がせることができない」という、殆ど暴走庵1人のみゲージが独立しているも同然なこと、防御力がやや下げられていること(これは後述の覚醒レオナも同様)、あまりにも速すぎて小回りが利かず慣れないうちは相手の攻撃に刺さりまくって前述の防御力が低いことも加わって意外と一瞬で事故死しやすいことが挙げられるが、操作しにくいのは練習次第で克服できるし、ゲージを引き継げなくても有り余るポテンシャルがあるので、結局先程までの壊れ要素が補って有り余りすぎているという結論に。 ……このようにとにかくぶっ飛んだ性能のために彼一人を指して本作を『暴走ゲー』と揶揄するプレイヤーも現れるほど。禁止されていない店舗や環境での対戦では当然ながら暴走庵が大量発生していた。「キョオオオオオオオオオオオ!!!」 ちなみになぜ暴走と呼ばれていたかというと、当時流行っていた新世紀エヴァンゲリオンの初号機の暴走を連想させる要素が多々あったから。ゲーム中でも「血の暴走」と呼ばれている(*10)。 ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ(通称:覚醒レオナ、暴走レオナ) こちらも上述した暴走庵と同様にスピードが速く、攻撃力が高い。 幸いにも?こちらは通常のレオナと同様に溜めキャラなのでシステム上やや不遇で、ジャンプも高くコマンド投げも無敵技もないので守りも弱く、庵ほどの脅威はない。 そしてCPU戦において、中ボスの一人目として乱入してくるのは前述の暴走庵かこの覚醒レオナのどちらか一人になるのだが、CPUとして登場する方でも、この覚醒レオナの方が暴走庵より遥かに簡単に倒せる。もっとも条件が使用キャラ及びチーム編成(*11)に依存している関係上、大抵が暴走庵ルートに行く仕組みになっているので…。 乾いた大地の社(通称:裏社、オロチ社) オロチ四天王の一人として……つまりボス版の七枷社。特大のリターンを持つ移動投げ「くじくだいち」を筆頭にコマンド投げ締めのコンボによる攻めのループ性や優秀な通常技を持ち、守りに使える技が乏しいという弱点も後述のコマンド投げの強さが補ってくれるので隙が無い。 なお、近強Kが(表の社と同様に)グラフィックではローキックの癖に中段という特徴があるが、下段が使いにくいキャラなので知っていればそうそうは決まらない(*12)。 それ以外の強キャラ達 八神庵 すっかり暴走庵の影に隠れてしまっているが、暴走庵での記述の通り元となるこの通常庵の基本性能が高いので、こいつも相当強い。それどころか暴走キャラ禁止ルールにおいては最強。 前作や暴走版との細かい違いはしゃがみBがキャンセル不可、弱鬼焼きが地上の相手に対してダウンを奪えない、特殊技を空振りしてもゲージが溜まらない、百合折りがしっかりとめくり技として機能することが挙げられるが、唯一にして最大の欠点として「暴走庵と共存できない事」ともいわれる。 ジョー東 ハリケーンアッパーの隙が小さく、その割に飛び道具の当たり判定が大きいので近距離の制圧能力が非常に高い。その他空中の相手にヒットすれば永久コンボが狙える黄金のカカト(*13)など、一部の技が極端な特化性能を持つ。 特にハリケーンアッパーが、(反撃手段はあれど)庵や暴走庵がやや苦手とする技であるおかげで、他キャラよりは前述の2人が相手でも多少不利が薄れるために使用率もそれなりに高かった。 チャン・コーハン 鉄球大回転の汎用性が高い(*14)。大回転中ABCD同時押しでの緊急停止を使いこなすと途端に化ける。 後述にあるように簡易入力等でコマンド投げが前作より更に便利になっているため、大破壊投げの出番も増えた。また新超必殺技の鉄球大圧殺も技後の隙が特大ではあるが対空や連続技に使用可能。そんなチャンだが見た目通り喰らい判定が大きい上にジャンプも極端に低いことが災いして、彼限定の永久コンボと低いジャンプ故に対処が苦手なハリケーンアッパーを所持しているジョー相手だとかなり苦戦するという欠点もあり。なまじジョー自身も上述の通りかなりの強キャラなので…。 チョイ・ボンゲ 新たに超必殺技に「鳳凰脚」が加わったことで、今まで課題だった連続技の火力が劇的に改善。それ以外にもめくりジャンプC、および空中突進技「飛翔空裂斬」を駆使したガン逃げもといヒットアンドアウェイが強い。空中でヒットすれば鳳凰脚での追撃があるため大物食いも可。即死連続技も有り。 ブルー・マリー 隙の無い技の数々と豊富な対空、鋭いジャンプを活かした攻めに使いやすいコマンド投げ、連続技にしやすい超必殺技など、飛び道具以外の全てを兼ね備えた万能キャラ。 二階堂紅丸 高く鋭いジャンプと全キャラ中最強のジャンプ攻撃JD、そして空中特殊技のフライングドリル(ジャンプ中2+D)を使った立ち回りが凶悪。コンボもお手軽かつ強力。画面端でなければ反撃を受けない真空片手駒でゲージ稼ぎもでき、それで使う超必殺技・雷光拳の性能も異常。対空もスーパー稲妻キックが無敵時間があり隙が無い。最大の欠点はコマンド投げが(超必含めて)死に技であること。 そのほか、ゲージ回収率が高く技の一つ一つが強い神楽ちづる、超必殺技を絡めたコンボの火力が光る炎のさだめのクリス等、少しやりこんだだけであからさまにわかる強さを持つキャラが多かった。 ちなみに前作で強キャラだった鎮元斎やクラークは、望月酔やスーパーアルゼンチンバックブリーカーといった猛威を振るっていた必殺技の弱体化により中堅クラスに甘んじることに。 それでもクラークはコマンド投げの間合いと威力が抑えられた(そもそも前作がおかしかった)だけで、コマンド投げ自体がまだシステム上かなり強力(後述)で、フランケンシュタイナーに無敵時間が追加されて起き攻めに使えるようになったこともあってまだ十分強いとも言えるが。 逆に弱いキャラはとことん弱い。設定上未熟な矢吹真吾はともかくとしても表のクリス、ビリー・カーン、アンディ・ボガード、不知火舞、ユリ・サカザキ等は強キャラと戦うとまともな勝負は望めない。 特にビリーに至っては以前登場した初登場の『 95』でも弱キャラで後の『 98』でも弱キャラだったせいで、「性能面でシリーズに愛されていないキャラ」などという意見も。原作の『餓狼伝説』シリーズでは逆に強キャラであることが多いのだが…。 凶悪過ぎるコマンド投げ ただでさえ前作で強すぎたコマンド投げが全く弱体化しておらず、非常に凶悪な性能を有したまま。また前述の簡易入力の恩恵により存在自体が卑怯とも言える存在になってしまっている。例を挙げると……。 相手ののけぞりモーションをいつでも投げることができ、後のシリーズのように通常技キャンセルでないと連続技に組み込めないということがない。 そして本作のほとんどのコマンド投げは入力後1フレームで成立するので、間合い内で自分が有利になる技がヒットすればコマンド投げ確定である。 本作のジャンプはすぐに空中判定にならないため、ジャンプし始めを投げられてしまう。 スカりモーションが無く、失敗しても通常技が出るだけなので、リスクはほぼ無い(*15)。 例外もあるが、ダメージが高い傾向にある。 相手に接近して連携や固めを狙いに行っても、中途半端な攻めを行えばコマンド先行入力により、隙が生じた瞬間に問答無用で投げられてしまう。まさに攻防一体の存在である。 また本作はゲームシステム上、大門やチャンのような重量級でコマンド投げ持ちのキャラでも相手に近付く事が非常に容易となっている。 もちろん例外もあり、紅丸は超必殺技を含めコマンド投げを2つ持つが、いずれも投げ間合いが狭くダメージも低いため「投げ外しをされないこと以外に利点が無い」とまで評されている。山崎は超必殺投げのドリルのダメージこそ高いが、投げ間合いが狭く爆弾パチキの方はダメージも通常投げとさほど変わらない。 さすがにまずいと思ったのか、『 98』以降では投げスカリモーションが作られる、ジャンプ開始も投げられなくなるなど理不尽な部分が解消された。 バグの多さ 本作はシリーズの中でも処理落ちが発生しやすい。特に炎系のエフェクトが発生する技使用時や、ヒット時に相手が燃える技をヒットさせた時が顕著。 一例を挙げると、裏クリスで強・たいようをいるほのおが相手にヒットしている時に、強・つきをつむほのおを連続ヒットさせると重い負荷がかかって処理落ちしてしまい、更に相手キャラや背景の容量の大きさによってたまに「Task Over!」にまでなり、ゲームが止まってしまう。強・たいようをいるほのおが地上ヒットすることが対戦でまず起こりにくいのが救い。 同様のエラーは草薙京のMAX大蛇薙(待機モーションの多段ヒット+〆モーションのヒット)でも起こる事がある。 同じく京で、画面端で荒咬み空中ヒット×数回から鬼焼きなどの組合せでも起きる可能性がある。かなりイレギュラーなケースなので対戦で発生する事は考え難い。 傾向として、どうやら延焼被弾エフェクトが発生する技を2種以上連続で当てると状況次第では高負荷になりTask Over!が発生すると思われる。 同様の症状はほぼ同時期(約半年後)発売の同社かつ同じネオジオのアクションシューティング、『メタルスラッグ2』でも見られた。 覚醒レオナのアイスラッシャーは攻撃を受けても消滅しない(通常レオナは攻撃されると消える)。 これはNCD以降修正されている。 チャンのコマンド投げである大破壊投げが「レバー操作+A or Cボタン」と紹介されているにもかかわらず、Aボタン入力では出せない(*16)。 前作ではCボタン入力受付のみだったのものが修正されずに継続・設定されてしまっていると思われる。 相手側と協力が必要になるが、ビリーで超火炎旋風棍を出した直後に各種投げ技を決めると、ビリーの周りに火炎が付いたまま自由に動けるようになる。相手がラスボスのオロチの時に至っては、「相手を引き込んで魂を引き抜く」(*17)技で引き込まれる最中に超火炎旋風棍を出すだけで発生、つまり1人で起こすことが簡単にできてしまう。 浮遊バグもあるがあまり実用的ではない。 演出面の変化 BGMのほとんどが環境音になった。基本的に固有BGMが流れるのはボス戦を含む一部キャラのみであり、前作までのようにチーム単位のBGMが用意されているのはニューフェイスチーム(社、シェルミー、クリス)とその裏となるオロチ四天王チームのみ。 固有BGM(個人曲)が設定されているのは京、テリー、アテナ、山崎、マリー、ビリー、庵、真吾、各ボスキャラ。 一例として餓狼チームの3人で組み、アンディ、テリー、ジョーの順で試合をやるとする。するとアンディが戦っている時は環境音、テリー登場と同時にBGMが流れ始め、テリーが倒れてジョーが現れるとBGMが止まる。 ちなみに、『餓狼』出身のキャラクターのBGMは直前に稼働した『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』からほぼそのまま流用。そのため「どうせ流用するなら他のキャラクターにも固有BGMを付けられたのでは」という不満が出た。 これは「TV番組の生中継のような演出」を再現したもの、と制作陣が発言している。 この路線は同社だと後の『幕末浪漫 月華の剣士』や『武力 〜BURIKI ONE〜』にもある程度受け継がれているが、前者は作品全体の雰囲気が暗く落ち着いたものであるため、後者はリアル志向のゲームであり現実の格闘大会を再現する演出の一環として作られていたため、雰囲気づくりの一環として好評だった。それに対し色々な意味で「お祭り」であり、BGMの評価も高い本シリーズでは受け入れ難い仕様であった。 ケチャ(*18)が聞こえてくるバリ島ステージなどは環境音がステージ演出として機能していると言えるのだが、ステージによってはほぼ無音だったりと地味な印象が拭えない。 流石にBGMの無さは制作側に意見が行き届いていたのか、後述の『R-1』では完全新曲こそないものの全キャラクターに固有BGMが割り当てられる事になった。 また、前作までのようなチームごとの固有ステージという概念もなくなっている(ボスのみ例外(*19))。 この方向性についてはボスなどの一部を除いて以降の作品にも引き継がれた(*20)。誤解のないように付け加えると、グラフィックのクオリティ自体は充分維持されており、またチーム構成に合わせるとどうしても舞台になる国のバリエーションが限られる中で、インドネシア(バリ島)やモナコなど様々な国をステージとして使えるようになったというメリットもある。 勝利時にキャラのメッセージがない。 このため、本作の演出はストーリーデモ以外非常に簡素で物足りない物になっている。 勝利時や中間デモ等のデモ画面のキャラの一枚絵のクオリティが前作と比べて劣化している。 全体的に肩幅がやたら広い。特に神楽ちづるの勝利デモの肩パッド云々では済まない広さの肩幅はよくネタにされる。 試合中の体力バー横の顔グラフィックも特徴を掴みきれておらず、全体的にのっぺりしている。特にキングやユリなど。 評価点 確かに必殺技は暴発しやすいが、それ故に超必殺技は非常に出しやすくなっている。コンボや、見てから反応等でもハードルはかなり低め。 オープニングや中間デモ、EDの出来はKOFオロチ編最終章ということで出来が良い。 デモ絵は前述の通り劣化している部分もあるが、雰囲気自体はよくできている。 CPU戦の難易度が今作は比較的易しめに設定されている。 中ボスは確かに強いがパターンにはめられれば簡単に攻略でき、ラスボスのオロチは設定上も性能も最強なのだが、CPUの反応が鈍いという一点だけで歴代最弱ボス候補に。 開発スタッフも「ストーリーを見てもらいたいため意図的に弱くした」とコメントしている。 オロチの性能自体は「回避困難で発生の早い飛び道具」や「画面全体を攻撃する超必殺技」など高性能なものが揃い、人が扱うと飛び道具を出すだけで脱出困難な固めが成立するなどとんでもないことになるのだが、本作のCPUはそれを活かしきることはない。 オーソドックスでありながらパワーMAXシステムを上手く継承したADVANCEDシステムの導入により、システムの基礎が完成したと言っても過言ではない。 特定メンバーを使うと見られるED。 以後のシリーズでも特定メンバーでクリアすると特殊な一枚絵が見られる場合があるが、しっかりとストーリーのあるEDが隠されているのは本作のみ。 オロチ編最終章らしく、主人公・日本チームで勝ち抜きラスボスを京で倒すと、庵が乱入してくる隠しボス戦ルートが見られる。もちろんボーナスステージとして実際に戦え、勝つか負けるかでまた微妙にEDが変わるという凝りよう。 特定キャラ間のイントロ掛け合いの増量。「らしい」掛け合いが多く、特殊演出の組み合わせを探すのが地味に楽しい。 総評 お祭りゲームから出発して独自の立ち位置を築き上げるまでに至ったKOFシリーズ最初の総決算的な作品。 旧作経験者向けに2種のシステムから好きな方式を選べる配慮があり、また数多い参戦キャラクターそれぞれに対して設定・ストーリー面が補強された。 しかし格闘ゲームとしての本作のバランス調整は「毎度おなじみ」の域を超えて極端、そして杜撰。しかもプレイヤーの意に反して技が暴発しやすいという、文字通り不安定な仕上がりとなってしまった。 シリーズがキャラゲーとして愛されてきた側面からも、BGMや勝利コメントなどの細かい要素が大幅に縮小されている事への物足りなさは否めない。 オロチ編最終章としてのストーリーは大いに盛り上がっただけに、悔やまれる部分もまた多い作品である。 家庭用移植 ネオジオ:1997年9月25日/32,000円 MVSと同等。PS2の『KOF オロチ編』の他、PSPの『ザ・キングオブファイターズポータブル 94~ 98 チャプターオブオロチ』にも収録されている。この他にもバーチャルコンソールでも配信中。 ネオジオCD:1997年10月30日/6,800円 やはりNEOGEO-CD恒例のラウンド間のロードがネックとなっている。 BGMはアレンジ音源になっているが、山崎のテーマがリアルバウト餓狼伝説スペシャル側でアレンジが行われなかった事による影響なのか、CD版RBSP同様『3』の頃のテーマが使用されている。後述の他機種への移植版でも同様の仕様にされており、RBSPの山崎のテーマは不遇と言わざるを得ないだろう。 セガサターン 前作同様汎用拡張RAM専用。『 96』と同様に1MB拡張RAMとの同梱版も発売された(*21)。良移植だが過去のSS版『 95』や『 96』と比べてロードが長くボイスのトーンが高くなっている。また本作はSS最後のKOF、且つSNK最後のSSソフト(新規発売として)である。 ラスボスのオロチはプラクティスモード限定で使用可能。 プレイステーション 前々作同様劣化部分が目立つ移植となっているが、ラスボスのオロチがプレイヤー対戦で使用可能で、AC版では設定されていないしゃがみモーションとそこからの通常技も追加された(*22)。 しかも 94京以外の隠しキャラ使用コマンドがシンプルになった。 ちなみにPS版は現在アーカイブスで配信中だが、上述の『チャプターオブオロチ』やPS 2アーカイブスの『KOFオロチ編』でネオジオROM版がプレーできるので対戦でオロチが使える事とプラクティスモードくらいしか存在意義は無い。 また、かつてはネオジオステーションでネオジオ版が配信される可能性があったが、サービスが終了してしまった。 PS4/PSV/PC(Steam) 2018年4月4日より『THE KING OF FIGHTERS 97 GLOBAL MATCH』のタイトルでダウンロード専用としてPS4、PSV、PC(Steam)の三機種にて発売。開発はカナダのCode Mysticsが担当。 『 98UM』や『2002UM』のようにタイトルに新たな副題が付けられているが、ゲームバランスや演出面など特に手はつけられていない。 隠しキャラは使用コマンド無しで最初から選択可能となっているが、ラスボスのオロチは使用不可。 オンライン対戦機能やギャラリーモード、ゲームメニューでのBGM設定機能が搭載されており、PS4とPSVでは二機種によるクロスプレイに対応している。 ネオジオ版ベースの移植ではあるがプラクティスモードがなかったり、タイムカウントの減りが少々早い、日本語版限定のゲーム雑誌コラボチームEDがギャラリーに追加されない(言語設定が日本語であれば見ること自体は可能)、など細かい問題点が散見されている。また、CPU戦で特定のチームが出てこないバグも見られたがこちらはアップデートで解消された。 またネオジオポケットで本作をベースとした『ザ・キング・オブ・ファイターズR-1』(モノクロ専用)がローンチタイトルとして発売された。 本作は携帯機での発売故にキャラが削減されているものの、デモ画面やBGM等原作再現度の高い移植で、ネオポケ移植に伴い全キャラに固有BGMが搭載されているファンサービスもあるが、反面モノクロ専用故に同キャラ対戦時のプレイヤーキャラの見分けが付きにくくなっている難点がある。 この他にも本作のストーリーを基にしたADV『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』がプレイステーションで発売されている。 厳密に言うと講談社から刊行されていた覇王マガジン(97年に休刊後はコミックボンボン)にて連載されていた同名漫画を基にした作品だが、戦闘画面で本作及び『 96』のキャラがそのまま使用されている関係でアレンジ移植に分類されているとも言える。また、こちらでも全キャラに固有BGMが搭載されている。 余談 いろいろと難のある作品ではあったが、当時は格ゲーブーム真っ盛りだったため、人気は出ていた。ストーリーのない作品を除いては「オロチ編までがKOF」という古参プレイヤーも少なからずいる。 ちなみに中国だとこの作品が一番人気であり、100万人以上のゲーマーから親しまれている作品であり、非キャンセルでの超必殺技やバグ利用を自粛(禁止?)する傾向のプレイスタイルが見られる。 小さな子供から老人まで共通して遊べ、山奥の閑散とした村でさえもプレイされており、「女の子と遊ぶ」か「KOF97で遊ぶ」の2択になるほどに、その浸透率は他の格ゲーと比べても圧倒的である。インターネット上で配信された本作の大会の視聴者はなんと50万人(参考までに、格ゲー世界大会のEVOでも15万人程度が最高と言われている)に達しているなど、中華人民共和国では国技と呼べるレベルにまで達している。 流行の背景として、日本の格ゲーバブルがはじけて基板が多く出回った事、後続作のKOF98などに比べてゲームバランスが悪い分実力差を埋めやすい事などがあるそうな。 それが理由なのかは不明だが2019年になって何故か海外ではPS4とVITAに単独でパッケージ販売される事が決定している。PS2やPSPでは他のKOFシリーズとカップリング移植されているにもかかわらず……である。 翌年の『KOF 98』は本作までの反省から、システムは殆ど完成されていた本作をベースにしつつ更にテコ入れ、そしてキャラバランスを盤石なものに仕上げ、シリーズ屈指の名作になった。 オロチ四天王の通り名は、全てアニメソングが由来になっている(乾いた大地の社→『戦闘メカザブングル』ED、炎のさだめのクリス→『装甲騎兵ボトムズ』OP等)。 講談社から刊行されていたゲーム雑誌『覇王マガジン』で、本作のコミカライズが連載された。しかし同誌休刊後、同じ講談社の雑誌『コミックボンボン』に「漫画内でゲーム設定とは異なる描写がありましたことをお詫びします」という一文が掲載された。 具体的に何がどう違ったのかは触れられていなかった。かの『ボンボン餓狼』や『ゴッセージ龍虎』ですらそのようなお詫びは載った事は無かったのだが。一体何がどうまずかったのだろうか? KADOKAWA・ドラゴンノベルスから発売された小説『THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!』は、本作の三神器チームEDで起こった出来事により八神庵が異世界に転移してしまった…という内容。 現在はコミックウォーカー・ニコニコ静画でコミカライズ版が連載されている。
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/608.html
THE KING OF FIGHTERS ◆Wf0eUCE.vg 「それで、なんなんだオマエは?」 まだ深い夜。 一面に広がる真っ暗闇の中を走りぬけてゆく真っ赤な消防車。 その助手席から後部座席に向けて、当然の疑問が投げかけられた。 「ほう、我が拝顔の栄誉に与りながら我の名を問うか? 本来ならばその不敬。懲罰に値するのだが、現在が特例的事態故、特別に許そう。感謝するがよい」 当たり前のように踏ん反り返りながら、答える態度は傲岸不遜。 そもそも答えになってないという横暴っぷリに加え、何故か感謝を求められる始末である。 助手席の男もさすがにこの事態には困り果て、運転席に座りハンドルを握っている少年に助けを求めるような視線を向けた。 「おいジン。なんなんだこいつは?」 「いや。そこでオレにフラれても困るんだけど。 ねえ黒猫の人。とりあえず、オレも名前くらいは聞いておきたいんだけど?」 運転手の問いかけに、黒猫姿の客人は仕方ないといった態度ながらも、おずおずと口を開いた。 「我の名はギルガメッシュ。人類最古の英雄王である」 「へえ王(キング)か。そいつは奇遇だ、たしかドモンもキングだったよね?」 「ん? ああ確かにそうだな」 「なに?」 述べられたある単語に反応し、ギルガメッシュの端整なまつげがピクリと動いた。 それに二人は気付かず、そのまま自己紹介は続けられた。 「俺はネオジャパンのガンダムファイター、”キングオブハート”ドモン・カッシュだ」 「そしてオレは”王ドロボウ”ジン。よろしく英雄王さん」 堂々としたドモンの声とおどけた風なジンの声。 比較的友好的に返された名乗り、だったのだが、途端に消防車内の温度が氷点下まで落ちた。 冷源は語るまでもなく後部座席。 そこに鎮座する男の、冷たく燃える真紅の眼から発せられていた。 「……この我を前にして自ら王を名乗る不埒者が二人、か。 まったく、ここは礼も弁えぬ愚か者が多くて困るな?」 英雄王の漏らした呟きは誰に向けた物でもない。 ただ、猛毒にも似た冷気が、静かに狭い消防署内に蔓延していく。 どうにもこうにも、後ろの男には”王”という単語は禁句だったらしい。 そのことに、いち早く気付いたジンが先手を取って恭しくも口を開いた。 「いやいや、王さま。私めは王と言っても輝くものなら星さえ盗む、下賎な賊の王に御座います」 「ふむ? なるほど。王は王でも卑しき賊の王であったか。 ならば、王を名乗るはおこがましくもあるが。わざわざこの我が自ら歯牙にかけるまでもないか」 述べられたその弁に、ギルガメッシュは一つ頷く。 ジン関してはそれで納得したのか、ギルガメッシュは運転席から助手席へと視線を移した。 当然ながら向けられた視線の先にいるのはキングオブハート、ドモンカッシュ。 「では、そちらの小僧はなんだ? 力量はともかく、その品のなさはどう見ても王の器ではないが?」 「王じゃなくキングオブハートだ。 師より受け継ぎしシャッフル同盟の証である称号だ!」 言って、ドモンは右腕に光輝くキングオブハートを見せつける。 「称号か。まあ、よかろう。カードの王に憤慨するのもバカらしい」 その印を確認して、ギルガメッシュは不満気ながら殺意を収めた。 ひとまずそれに胸をなでおろしながら、ジンが後部座席に向かって問いかけた。 「それで、ギルガメッシュは刑務所にいったいなんの用なの? 自首でもするつもり?」 「我は今、頭のキレる家臣を求めていてな。 刑務所にはアケチとかいう雑種がいるらしいので使えるかどうかをこの我自ら見定めてやろうというわけだ。 それに、あの人形との件もある、下らぬ形とはいえ英雄王たるこの我が約束を違える訳にもいくまい?」 「へぇ」 この状況で武力でなく知力を集めようとしている。 その言葉を聞いて、ジンはギルガメッシュが対螺旋王を目指していることを察した。 つまり、一応の目指すところは同じという事だ。 とはいえ信頼に足るかはまた別の話だ。 頭のキレる参加者と聞いて脳裏に浮かぶのは清麿だったが、今は彼に関しては黙っておくことにする。 「ってことは、ギルガメッシュも螺旋王に一泡吹かせようって口なわけだ?」 「まあ、そんなところだ。だが今は情報が足りぬ。 モノのついでだ雑種ども、貴様等の持っている情報を我に献上せよ」 「情報交換ってこと? それなら、」 こちらにとっても都合がいいと、ジンはその提案に応じようとした。 だが、応じる意志を告げ切る前に酷く不満気な声がその言葉を断絶した。 「交換だと? 何を言うかたわけ。貴様等の持っている情報を我に献上せよと言っている。 貴様等衆愚が王たる我に献上するは道理としても、我が貴様等にくれてやる道理はなかろう。 情報とて我が財の一欠片。その恩恵を受けてよいのは我の家臣と民だけだ」 あまりにも理不尽、あまりにも身勝手な物言いだった。 交換などという行為は互いの立場が平等である場合に行われるものだ。 そして、この王に己と他者が平等などという価値観はありえない。 英雄王が行おうとしているのは一方的な搾取である。 そんな英雄王の態度に対して王ドロボウは憤慨するでもなく、先ほどと同じく軽い口調で頭を垂れた。 「それでは英雄王。これより我等が情報を献上致しますので、その見返りに卑しき私めに褒美を頂戴致したい次第で御座います」 「ふむ?」 ギルガメッシュはジンの言葉を噛み締めた後、声も高らかに笑い始めた。 「ハッハッハッ! なるほど、そうか! 賢王として足らしめるのらば、いくら相手が衆愚とて供物を捧げた者を無下にするわけにも行くまいな!? なかなかよいぞ盗賊王。献上した情報の内容如何では貴様の望む褒美もくれてやってもよい」 ジンの言い分が甚く気に入ったのか、英雄王は上機嫌な声でそう告げた。 交換ではなく献上と褒美と形は変わったものの、ともあれ情報のやり取りが成立した。 それを確認し、ハンドルを片手で握りながらジンは懐からメモとペンを取り出した。 「何をしている?」 その動作を訝しむ様な声がかかる。 盗聴を警戒するのならば当然の用心といえる行為である。 疑問を持たれるような行為ではないはずなのだが。 「ふん。盗み聞きへの配慮ならば不要だ。 だいたい記述するための道具が支給されている時点でそんなものは無意味だ」 「ま、たしかに、ドロボウがいるってわかってて監視カメラを付けない家はないだろうけどね」 たしかに筆談してくださいと言わんばかりの筆記用具を渡しておきながら監視してない、なんてこともありえない話である。 とは言え、もっと念のためという価値観というか、慎重さをもってほしいものだが。 「おいおい、じゃあどうするんだ。どうやっても筒抜けになるってんじゃ情報のやり取りなんて出来ないんじゃないか?」 会話に割り込んできたドモンは言う。 なるべく、そいうことも口にしない方がいいんじゃないかな、と思いつつもジンもその言葉に心中で同意する。 だが、ギルガメッシュはまったく焦った風でもなく、堂々とした態度のまま口を開く。 「問題なかろう。ロージェノムに直接この会話が伝わることはないし、伝わったところで何があろうと奴は爆破などはせぬ」 「直接的に伝わらないっていうのは?」 「監視などという下らん作業は雑兵に一任するが常であろう。間違っても王の任ではない」 「じゃあ、その部下が爆破を行う可能性は?」 「それこそありえん。首輪の爆破などという直接的な殺生与奪の権利は王のみが持つことを許される王の権利だ。 故に、王以外の人間がこれを爆破する権限を持っている事などありえない」 繰り返される問答に一切の迷いはない。 それはあくまで、王としての観点による王としての意見だった。 信頼に足るかと言えばそうではない。 納得できないかと言えばそうでもない。 だが、明確に反旗を翻しているジン自身の首が繋がっていること。 そして、今それ以上に危ない橋を渡っているはずの清麿の名が未だ呼ばれていないことを含めれば爆破されないという一点は信用できる。 なにより、この程度の橋を渡れないようじゃ、これから先やって行けないだろう。 そう心を決めたジンは、情報をハッキリと口にし始めた。 ■ 「ふむ。なるほど、大体わかった」 ジンとドモンより献上された情報を聞き終え、英雄王はそう頷いた。 「ま、これを見る限り、首輪(それ)に関してはそいつに任せてよいだろう」 言って、ギルガメッシュは受け取ったメモを指先で弾いて捨てた。 提示情報として最大のカードであると思われた首輪メモはその一言で切り捨てられた。 それよりも英雄王の眼鏡に適ったのはジンの提示した情報ではなく、ドモンの提示した二つの情報だった。 それは、奇妙な神父との遭遇、ではなく。 一つは会場がループしているという話。 そしてもう一つは。 「貴様がその師匠とやらに感じた違和感とはなんだ?」 ドモンとその師匠の食い違いについてだった。 「違和感というわけじゃないが。 改められたはずの人間抹殺という考えを未だ師匠は持ち続けていらっしゃった。 この場で何があったかはわからないが、嘆かわしいことだ…………ッ!」 「だが、かつてもその考えを持っていたと?」 「ああ、その通りだ。 だが師匠は確かに人間も自然の一部であると考えを改められて――――」 「ああ、もうよい」 握りこぶしで熱弁するドモンを、ギルガメッシュは心底どうでもよいといった風にあしらう。 「やはり、同一世界から集められた相手も違っているようだな」 「違ってるって何がだ?」 「単純に召喚された時間軸か、もしくは召喚された並行世界だな」 「いや、正直よく分からん」 説明に理解を示さないドモンに、ギルガメッシュは呆れたように溜息を漏らした。 そして、面倒くさそうながらも説明を続ける。 「ようするにだ、同一人物だからと言って同一存在であるとは限らないという事だ。 貴様の師匠とやらは心変えした後ではなく、妄執に取り憑かれた時間軸からここに来たのか。 妄執に取り憑かれたままの世界からここに連れてこられたか、だ」 ギルガメッシュからすれば最大限わかりやすく言ってやったつもりなのだろうが、ドモンの頭の疑問符はまだ取れない。 「……わかるか、ジン?」 「ま、なんとなくはね」 隣のジンに同意を求めてみたものの、置いてけぼりは自分だけだったことを知らされ、そのうちドモンはこの件に関して考えるのをやめた。 とりあえず、そうか、とだけ相槌を打ってドモンは押し黙った。 ■ 「さて、情報献上大義であった。褒美を取らす。 我への問いかけを許すぞ。何なりと聞くがよい」 ひとまず二人の献上した情報は英雄王を満足させたのか、ギルガメッシュは二人に問いかけを許した。 「じゃあ、とりあえず、最初に聞いてきた渦巻く『螺旋の力』ってなに?」 それに対してジンが初めに問いかけたのは螺旋の力について。 彼の記憶が確かならば、始まりの時や放送の時に螺旋王がたびたび口にしていた言葉だ。 「なんだ、そんな事すら知らぬのか。 その螺旋の力の覚醒こそ、この殺し合いにおけるロージェノムの目的だ」 「なに!? どういう事だ!?」 聞き捨てならない言葉に弾かれるように、ドモンは助手席から後部座席に身を乗り出した。 掴みかかる勢いで迫る赤鉢巻を見て、ギルガメッシュは怪訝そうに眉をひそめる。 「寄るな暑苦しい、死にたくなくばそれ以上我にそのむさ苦しい顔を近づけるな。 ついでに、耳障りだからその口も開くな、癪に障る」 「なんだと、この野郎……っ!」 「あー、はいはい。続きをどうぞ英雄王」 今にも喧嘩を始めそうな二人をなだめながらジンが話の続きを促す。 促された英雄王はドモンに対して不満気な感情をひとまず仕舞い込み話の続きを口にする。 「螺旋の力を目覚めさせるのがこの遊戯の目的だ。 それは恐らく拮抗した戦いの中で生まれるモノだ、まあ条件はそれだけではないのだろうが」 「拮抗した戦いだと?」 「そうだ、貴様等にも下らん能力制限がかけられているだろう? それは弱者と強者の間に拮抗した戦いを生み出すための処置だ。 拮抗し命がけの戦いの果てに目覚める力。それが恐らく奴の求める螺旋の力だ」 堂々と情報をひけらかすギルガメッシュだったが、その説明に疑問を感じたのか、ジンが少しだけ不満気に唸りをあげた。 「うーん。けど、それもおかしくない? ドモンとか清麿とか、ここにくるまでに結構命懸けの戦いをしてきてる人もいるはずなんだけど。 拮抗した戦いでその力が目覚めるんなら、わざわざこんなことしなくてもとっくに目覚めてるんじゃないの?」 ジンの知りうるだけでも、この場には死線を越えてきた人間は往々にして存在する。 かく言うジンも第七監獄、仮面武闘会とそれなりの修羅場は潜ってきていた。 だが、そのギルガメッシュの語るような螺旋の力になどジン自身覚えがない。 「そうだ、それが一番おかしな点だ」 ジンの疑問をギルガメッシュは否定するでもなく肯定した。 「ならば考えてみろ。これまでと、これからのいったい何が違うのか? なぜこれまでそれが起こりえなかったのか? なぜ今それが起こりうるのか?」 そして問いかけ。 その問いに暫し思考を巡らせたジンは、至った結論を口にする。 「つまり、役者は同じでも踊る舞台が違えば演目も違うってこと?」 「そうだな。恐らく違うのは”ここ”だ」 ジンの回答にギルガメッシュは満足げに然りと頷きながら地面を指差す。 「じゃあ、アイツの言ってた実験ってのは」 「参加者だけの実験ではなく、この会場の実験という事なのだろう」 「なら僕等はまさしくモルモットってことか。いやぁ。嘗められたもんだねホント」 英雄王の叩きつけた真実に、王ドロボウはその顔に皮肉げな笑みを貼り付けた。 「まあ、人選もまったく無作為というわけでもあるまい。 恐らくは多種多様のサンプルを試してみたかったのだろうが、」 「フザケるなッ!!」 バコン、という鈍い音。 唐突に英雄王の言葉を遮って消防車が大きく跳ねた。 「うわ、ちょっと車壊さないでよドモン!?」 傾きかけた消防車のバランスを取るため、慌ててハンドルを切る王ドロボウ。 その抗議の視線の先には拳大に陥没した消防車の扉があった。 その陥没にピタリとハマる拳を持った男、ドモン・カッシュは醒めやらぬ怒りに震えながら叫んだ。 「サンプルだと? モルモットだと? フザケやがって! 俺や師匠はそんな事のために巻き込まれたって言うのか? そんな事のために多くの人たちが死んでいったって言うのか? そんな事のためにアレンビーは死んだって言うのか!?」 何十人という人間を動物実験扱いして、死に至らしめるなどと言う理不尽、到底許せるものではない。 ましてその結果、彼の兄と戦友は死んだのだ。 己が掌が破れる勢いで拳を握り、怒りをあらわにするドモン。 その様子を、ギルガメッシュは興味深そうに見つめていた。 「ふむ。見たところ貴様も目覚めているようだな」 「目覚めてる? なんの事だ?」 感情を高ぶらせ叫ぶドモンから、僅かに漏れた緑の螺旋。 その輝きを見逃すほど英雄王の眼力は節穴ではない。 「目覚めてるって、さっきから言ってた螺旋の力ってやつ?」 「そうだ。だが、このような雑種まで目覚めるとはもはや見境なしだな。 いささかハードルが下がりすぎだ。この調子なら畜生でも覚醒しかねんな」 「いわゆるバーゲンセールってやつ?」 「……よく分からんが、なんか酷い言われようだな」 なぜか二人に好き勝手言われるドモン。 一人力に目覚めたはずなのに、なんだろうこの敗北感。 「それも長時間この空間に居た弊害だな。なるほど実験は大成功と見える」 「ってことは、ここにはホントに螺旋の力の覚醒を促進する要素があるってことか」 「そうだな、だがそれだけではあるまい。 この会場を覆う結界の効果は螺旋の力覚醒の促進に加え、空間内の戦闘能力制限といったところか。 その他外世界からの探知及び接触遮断などもあるかもしれんが今のところハッキリといえたところではないな。 上空を調査したが、恐らく形状はドーム型、端に行くほど天井は低い。 会場のループは結界に触れさせぬための処置だろうな。 外枠を禁止エリアにしてもよいのだろうが、その場合は首輪が無力化された場合に対処できぬからな。 いや、まったく、よく出来た箱庭だ、奴もさぞ満足だろうよ」 この会場の状態を次々と看破しながら、本当に感心した声で英雄王はそうごちた。 そして、暫しの思案の後、ジンに向かって切り出した。 「ふむ、そうだな。運転手、行き先を変えるぞ」 「いいけど、お客さんどっかに寄り道でも?」 「ああ、博物館にな。 丁度力に目覚めたこいつがいるのだ。奴が何をそんなに見せたがっているのかこいつを使って見てやろう」 「見せたがってるもの?」 「うむ。あれを見よ」 そう言ってギルガメッシュが彼方を指差す。 その夜の先、目を凝らさねば見えない程の距離に映るのは螺旋状の建物。 「うわぁ、ド派手だね。まさしく天を衝く螺旋城って感じ?」 「なんであれを螺旋王が見せたがっているモノってわかるんだ?」 「わからぬか? 明らかにあの施設は外観からして他の施設と乖離しているだろう」 「いや。さすがにそれは見ればわかるが」 「ではそれは何故だ?」 「何故ってそりゃあ、造った人間が違うからじゃないか?」 一見当たり前過ぎるようなドモンの返答だが、その答えにジンはハッとしたように何かに気付いた。 「いや、ちょっと待ってドモン」 たしかに螺旋状の建物を建築したのは螺旋王だろう。 施設の形状、螺旋王という名からしてそれは間違えない。 なら、当然の疑問として浮かぶのは。 「……じゃあ、他の建物はいったい誰が造ったんだ?」 「その答えは先ほどの会場がループしている話と照らし合わせれば自ずと見えてくる。 本当に会場がループしているなら明らかにおかしな点ががあるだろう」 幾度めかの試すような英雄王の問いかけ。 このマップの違和感に。 それは薄々ジンも感じていたことだ。 「そうだね、ハッキリ言って、このマップはあまりにもループを想定していない。 特に横、山腹の先がいきなり湖だなんて、手抜き工事にもほどがあるよ。 外観の乖離した施設といい、ここは見るからにツギハギだらけだ。 これはもう設計士を捕まえて告訴したほうがいいね」 「そうだ、恐らくここは奴が全てを一から設計して創り上げたのではい。 造ったというよりどこか適当な地形をそっくりそのまま複製したのだろう。生物を除いてな。 そして、そこに必要最低限の施設を立て手を加えた。といったところか。 ふん。いくら実験に関わりのない所とは言え、後付けだらけのやっつけ仕事にも程がある」 かぶりを振って呆れたようにそう呟くギルガメッシュ。 だが、ドモンはどうしても納得できないのか、ギルガメッシュに向けて問いを投げた。 「いや、やっつけ仕事って、なんでそんな適当なことをしたんだ?」 そのドモンの疑問も当然といえば当然だ。 これ程の計画を成しとげた螺旋王が、そんな不完全なことをする理由などあるとは思えない。 「じゃあドモン逆に聞くけど、温めてた計画を不完全なまま実行しなければならない理由ってなにがあると思う?」 そのドモンの疑問に答える声は後部座席ではなく、すぐ右手の運転席から。 ジンは既にその理由に察しがついているようだ。 ドモンを導くように問いかける。 「それは……そうだな」 万全とはいえない状況で作戦を決行する理由とは何か? その問いにドモンは自身の経験に照らし合わせて考えを巡らす。 新宿でのデスアーミー撃退作戦。 ギアナ高地からの脱出作戦。 共通するのは一つ。 デビルガンダム。迫り来る敵対者の存在だ。 「なら、螺旋王は敵に攻め込まれているっていうのか!?」 「そ。半端な用意でオレ達をもてなしてるのは他にお客さんがいるからさ。 そのお客さんがアポもなしに訪ねてきたんで慌てて用意したのがこの舞台ってとこかな?」 「ま、それが妥当な結論だな。 もしくは何らかの形で攻めてくることが知れての対応策やもしれんが、どちらにせよ第三勢力の存在はあると見ていいだろう」 「なるほど……それはわかったが、それと博物館を見せたがってるって話とどう繋がる」 「わからぬか? わざわざ急を要する事態の中、違和感を残してまで追加した建造物だぞ。 それ相応のモノを用意してあるのだろうよ。おそらく貴様が地下に見つけた施設もその類だろう。まあ、十中八九脱出用の施設だろうがな。 この我に対する度重なる無礼。本来なら問答無用で殺すところだが。 博物館にある内容如何では、言い分を聞いてから殺してやってもよい」 結局殺すのかという突っ込みは置いておいても。 流石に今吐かれたセリフは捨て置けない。 「脱出用の施設だと? まさか」 「別に驚く程のことではなかろう? 先も述べた通り、奴の目的は殺し合いの完遂ではないのだからな。 その証拠に、ここには殺し合いには何の役も立たぬ、脱出の為に用意された施設や支給品があるはずだ。 そして、それに対して正規の手順を踏めば脱出が可能となるように出来ているのだろう」 「なるほどね、目的を達成してくれたよい子にご褒美ってことか」 本当に、嘗められているのだと実感しジンは皮肉げに肩をすくめる。 それに答えるように、ギルガメッシュは赤い宝石のような瞳を見開き殺意と愉悦の入り混じった笑みを浮べた。 「だがな、奴の定めた道順など知った事か。そんなものは壊してしまえ、だ。 徹底的に根本的に壊滅的に、奴の計画と目的と、命ごと何もかもぶち壊してしまえ」 螺旋王の計画を握りつぶすように拳を固めるギルガメッシュ。 与えられた方法などまったく魅力を感じないのはジンも同じだ。 盗んでこその王ドロボウである。 踊る場所も踊りの内容も自分で選ぶ。 相手の掌で踊らされているのなんて真っ平ごめんだ。 だが、それ以上にジンの不安を煽る、英雄王の笑み。 この男は敵か味方か、未だジンはその真意を測りかねていた。 「だが、脱出方法を破壊したら、ここから出られなくなるんじゃないか?」 相手の手の平で踊るのが嫌でも、脱出できなければ意味がない。 そう考えるドモンの憂鬱を、英雄王は鼻で笑った。 「ふん。問題ない。我の剣があれば、こんな空間跡形もなく破壊して外に出ることくらいは造作ない」 堂々と告げる英雄王。 正確にはエアならばこの会場を破壊出来る、ではなく。 エアでなくとも同レベルの衝撃ならばこの会場を破壊することは可能であると英雄王は考えている。 まあ、エアと同レベルの兵器が存在するなど露ほども思わぬ英雄王は、間違ってもそんなことは口にしないが。 「オレの剣? なんだそれは、それがあれば脱出できるのか?」 「無論だ。我にしか扱えぬ唯一無二の英雄王の剣だ。 形状は、そうだな、赤い円柱状の剣なのだが。知らぬか?」 抽象的な説明だがドモンとジン、両名はその奇妙な剣に心当たりがあった。 先刻、ジンが拾い上げた荷物の中にそれに該当するモノがあったはずだ。 「赤い円柱状? それな―――」 「―――ちょっとストップドモン。ギルガメッシュちょっとタンマ」 「うむ。タンマを許す」 すんなりタンマを許されたので、遠慮なくジンとドモンはその場で顔を突き合わせてひそひそ話を始める。 「どうしたんだジン? 赤い円柱状の剣なら、確かオマエの荷物にあっただろ? それを渡せば脱出できるってアイツが言うんなら渡せばいいじゃないか?」 「いやいや、美味しい話には裏があるってね。どうも話が美味すぎる」 偶然拾い上げた、会場を破壊出来るという剣に。 これまた偶然拾い上げた、螺旋王の計画を破壊出来ると言う男。 これが偶然揃うだなどという、あまりにも出来すぎた状況に、ジンは言いようのない不安を覚えた。 「ねえギルガメッシュ、一つ聞いていい?」 ひとまずタンマを終了し、ジンはギルガメッシュに問いかける。 「うむ。問いを許すぞ盗賊王」 「この会場が崩壊したら具体的にどうなるの? 例えば残った人とかさ?」 ジンの質問に、そんなことかとギルガメッシュは平然とした顔で答えた。 「その後、どこかの空間に繋がるはずだ、まあ十中八九螺旋王の世界だろうな。奴を殺すには丁度いい。 あとは我の知った事ではないが。脱出できず崩壊に巻き込まれた奴等は全滅だろうな。まぁ死んだら死んだでそれはそいつの不運だろう」 「なっ……!?」 目茶苦茶な事を当然のことのように言ってのけるその様にドモンは言葉を詰まらせる。 その発言が、冗談でも牽制でもなんでもないことが、嫌というほど理解できてしまったからだ。 ギルガメッシュは本気でここにいる人間全てを見捨てることになんの躊躇も感じていない。 言葉を詰まらすその様を見て、ギルガメッシュは二人を安心させるように、まったく安心できない言葉を口にする。 「なに安心しろ、我の身ならば心配入らん。巻き込まれるようなヘマはせん」 他者のことなどまったく眼中にない、どこまでも傲慢な言葉。 その言葉にドモンは、溜まりに溜まったギルガメッシュに対する怒りを爆発させ、沸きあがる感情に任せて叫んだ。 秩序の守り手シャッフル同盟の一人として、否、一人の人間として、断じてその傲慢さを許すわけには行かない。 「駄目だ! 貴様のような他者を顧みる事の出来ない輩に、断じてあの剣は渡すわけにはいかん!」 堂々と啖呵を切るドモンだったが。 それと対象的に運転席のジンは思わず頭を抱え。 後部座席のギルガメシュはその赤い双眸を細めた。 「ほぅ。渡すわけにはいかぬときたか。 それはつまり、今、我の剣――エアは貴様等の手にあると?」 予想通りの展開にジンは大きく溜息を吐いた。 背中には氷でも刺したような冷たい感覚。 ごまかしきれないと悟り、ジンはひとまず偽らず告げる。 「確かに僕等はさっきギルガメッシュが言ってた剣を持ってる」 回答一つ誤れば即ゲームオーバーだ。 エンドはもちろんデットエンド。 なんせ、運転席と後部座席という時点で既に後ろを取られてる。 座席越しに一突きされればお終いだ。 「流石だな賊の王。我の財にまで手を付けたか。 その罪は万死に値するが異論はあるまいな?」 「もちろんあるよ。別にその剣は盗んだわけじゃない、拾っただけだ。 ギルガメッシュだってこのゲームのシステムくらいわかってるでしょ?」 「ならば返せ。それは我にしか扱えぬ我の剣だ。 貴様等雑種が手にしたところで正しく扱える代物でもない」 最後通知だとばかりに王ドロボウに英雄王が決断を迫る。 選択肢は渡すか渡さないかの単純な二者択一。 だが、素直に渡せば参加者が全滅。 かといって渡さなければ自分が死ぬ。 となると、選択肢は一つ。 「わかった渡す」 ここでNoといえば即死亡だ。 渡さないという選択肢はないだろう。 「ただし、条件つきだ。 その会場の破壊を行うのは、殺人者を除く生存者全員が集まった時にすること。 これを約束してくれるんなら剣をそっちに渡すけど、どう?」 渡すのも駄目。 渡さないのも駄目。 ならば、条件付きで渡すってのが最大限の譲歩だろう。 相手にとっても待つだけで労せず己の剣を取り戻せる、悪くない条件のはずである。 「条件? 何を勘違いしているのだ? 我がよこせと言っている。 渡さぬというのならば力尽くで略奪するまでだ、命があるうちにさっさとよこせ」 だが、交渉するにも相手があまりにも悪かった。 なにせ、まるで交渉が成立していない。 状況は二対一。 ドモンもかなりの手練である。 戦況は悪くないはずだと、ジンが冷静に戦力を分析し戦うという選択肢を視野に入れ始めた、その時だった。 「ほらよ」 ドモンが後部座席に赤い円柱を放り投げたのは。 ギルガメッシュは投げられたそれを片手で掴みとる。 投げ渡されたそれは見紛うことなき乖離剣。 「ちょ、ドモン!?」 突然のドモンの暴走にジンは驚きと戸惑いの声をあげた。 狼狽するジンの様子を意に介さず、ドモンは助手席から立ち上がりギルガメッシュを睨みつけてこう告げた。 「ただし、ギルガメッシュ、貴様にこの場でガンダムファイトを申し込む!!」 英雄王ギルガメッシュに対し、ドモン・カッシュは乖離剣と共に宣戦布告を叩きつけた。 「断る」 「オレが勝ったら先ほどジンが言った条件を、って、なにぃ!?」 にべもなく、申し出は却下された。 一秒にも満たぬ早業であった。 「何故だ!?」 「何故もクソもあるか。世迷言も大概にせよ。 何故この我がそんな訳のわからぬ事に付き合わねばならぬのだ?」 「ぐっ!」 「……ドモン。そういうことは渡す前に言おうよ」 「うっ!」 追い討ちをかけるギルガメッシュの言葉に、呆れたようなジンの声。 責める様な視線が実に痛い。 「ええい! とにかくファイトだ! 貴様とは一度ファイトをせねば気がすまん!」 もうこうなったら自棄である。 というより、これまで溜まりに溜まった鬱憤の清算を含めて、渡しちゃった以上ファイトしなければ収まりがつかないのである。 「たわけ。貴様の気など我が知るか」 「なんだとッ!」 ファイト以前に喧嘩を始めそうな二人のやり取りはさておき、ジンは一人頭を悩ませる。 議題は以下にしてあの剣を使用される前に取り返すか。 王ドロボウとして盗むのは専門分野だが、この相手に真正面からではかなり厳しい。 となると一瞬の隙を狙うしかないのだが、この状況で隙を見せる相手だろうか。 バックミラー越しに注意深く相手を観察し、ジンはギルガメッシュの出方を窺う。 その気配を察してか英雄王は口を開く。 「ふん。心配せずともすぐさまこの会場の破壊を行うわけではない。 我とてまだやる事があるのでな。それが済むまで会場の破壊は行わぬ」 「やることって?」 「ここにある我の財を取り返すことだ。そのついでにあの男に借りを返さばならんか。 そうだな、あとは確実を期するならば結界に近づくため飛行する手段があったほうがよいな。まあそれはよかろう。 実行はそれらが終わった後だな。 それまで貴様等雑種どもが何をしようと我の知ったことではない。 参加者を集めたければその間に勝手に集めろ。 平穏無事に脱出したいやつは、奴の定めた手順でも構わぬというのならば勝手に脱出すればよい。 我は奴の首を取りに行く。そうだな、奴の首を取りたいと志願するものがあれば同行を許すもいいだろう」 要するに螺旋王の首を取りたいやつだけ残ればいい、という事らしい。 その言葉を聞いて、やっとジンは目の前の男の気質をおぼろげながらに理解した。 この男に他者を害する意図はない。 かといて他者を救う意志もない。 好き勝手に動き、その結果誰かを救うこともあれば殺すこともある、 恵みの雨で人を救う事もあれば、洪水によって人を殺すこともある、言わば天災のようなものだ。 天災は人の力じゃ止められない。 だが、止められなくとも、ハリケーンだってミサイル一つ撃ち込めば少し軌道を変えることくらいはできるのだ。 損にも得にもなる存在ならば、特になる方向に誘導してやればいい。 そこはこちらの腕の見せどころである。 「OK,OK そうさせてもらうよ。 ドモンもそろそろ席に座って、もうすぐ着くよ、博物館!」 眼前に迫る螺旋の城。 その中にあるのは希望か、絶望か、はたまたお宝か。 それを確かめるべく聳え立つ螺旋の城に、三人の王は辿り着いた。 【D-4/博物館/深夜】 【ジン@王ドロボウJING】 [状態]:消防車の運転席、全身にダメージ(包帯と湿布で処置)、左足と額を負傷(縫合済) [装備]:夜刀神@王ドロボウJING×2(1個は刃先が少し磨り減っている) [道具]:支給品一式(食料、水半日分消費)、支給品一式 予告状のメモ、鈴木めぐみの消防車の運転マニュアル@サイボーグクロちゃん、清麿メモ 、毒入りカプセル×1@金田一少年の事件簿 カリバーン@Fate/stay night、ゲイボルク@Fate/stay night、短剣、瀬戸焼の文鎮@サイボーグクロちゃんx4 [思考] 基本:螺旋王の居場所を消防車に乗って捜索し、バトル・ロワイアル自体を止めさせ、楽しいパーティに差し替える。 1:博物館に向かう。中にある物がお宝なら盗む。 2:カミナを探し、仲間を集めつつ左回りで映画館、あるいは卸売り市場に向かう。スパイク達と合流した後に図書館を目指す。 3:ラッド、ガッシュ、技術者を探し、清麿の研究に協力する。 4:ニアに疑心暗鬼。 5:ヨーコの死を無駄にしないためにも、殺し合いを止める。 6:マタタビ殺害事件の真相について考える。 7:時間に余裕が出来たらデパートの地下空間を調べる。 8:ギルガメッシュを脱出者の有利になるよううまく誘導する。 [備考] ※清麿メモを通じて清麿の考察を知りました。 ※スパイクからルルーシュの能力に関する仮説を聞きました。何か起こるまで他言するつもりはありません。 ※スパイクからルルーシュ=ゼロという事を聞きました。今の所、他言するつもりはありません。 ※ルルーシュがマタタビ殺害事件の黒幕かどうかについては、あくまで可能性の一つだというスタンスです。 ※ドモンと情報交換しました。会場のループについても認識しています。 【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】 [状態]:全身に打撲、背中に中ダメージ、すり傷無数、疲労(中)、明鏡止水の境地 [装備]:なし [道具]:支給品一式 [思考] 基本:己を鍛え上げつつ他の参加者と共にバトルロワイアルを阻止し、師匠を説得した後螺旋王をヒートエンド 0:博物館に向かう 1:カミナたちを探しながら、映画館または卸売り市場に向かう。 2:積極的に、他の参加者にファイトを申し込む(目的を忘れない程度に戦う) 3:ゲームに乗っている人間は(基本的に拳で)説き伏せ、弱者は保護し、場合によっては稽古をつける 4:傷の男(スカー)を止める。 5:一通り会場を回って双剣の男(士郎)と銃使いの女(なつき)と合流する。 6:言峰に武道家として親近感。しかし、人間としては警戒。 7:東方不敗を説得する。 [備考]: ※本編終了後からの参戦。 ※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。 ※ループについて認識しました。 ※カミナ、クロスミラージュのこれまでの経緯を把握しました。 ※第三放送があった事に気が付いていません。 ※清麿メモについて把握しました。 ※螺旋力覚醒 【ギルガメッシュ@Fate/stay night】 [状態]:疲労(大)、全身に裂傷(中)、身体の各部に打撲、 慢心・油断はない [装備]:乖離剣エア@Fate/stay night、クロちゃんスーツ(大人用)@サイボーグクロちゃん [道具]:支給品一式、クロちゃんマスク(大人用)@サイボーグクロちゃん、偽・螺旋剣@Fate/stay night [思考] 基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。【天の鎖】の入手。【王の財宝】の再入手。 1:ドモンの螺旋力を利用して博物館の中身を確認する。 2:その後、刑務所へ向かう 3:“螺旋王へ至る道”を模索。最終的にはアルベルトに逆襲を果たす。 4:北部へ向かい、頭脳派の生存者を配下に加える。 5:異世界の情報、宝具、またはそれに順ずる道具を集める(エレメントに興味)。 6:“螺旋の力に目覚めた少女”に興味。 7:目障りな雑種は叩き切る(特にドモンに不快感) 8:全ての財を手に入れた後会場をエアで破壊する。 ※螺旋状のアイテムである偽・螺旋剣に何か価値を見出したようですがエアを手に入れたので、もう割とどうでもいいようです。 ※ヴァッシュ、静留の所有品について把握しています。それらから何かのアイデアを思いつく可能性があります。 ※ヴァッシュたちと情報交換しました。 ※ジンたちと情報交換しました。 【会場に対するギルガメッシュの考察】 会場は何処かの土地の複製 全体を結界に覆われている 結界の形はドーム状 結界の効果は螺旋力覚醒の促進及び能力制限 外部との遮断(推察の域を出ない) 結界はエア、もしくはそれと同レベルの衝撃で破壊できる 時系列順に読む Back 回葬――言峰綺礼 Next 童話『森のくまさん』 投下順に読む Back 回葬――言峰綺礼 Next 童話『森のくまさん』 236 PRINCESS WALTZ of 『Valkyrja』 (後編) ジン 253 王たちの狂宴(前編) 236 PRINCESS WALTZ of 『Valkyrja』 (後編) ドモン・カッシュ 253 王たちの狂宴(前編) 236 PRINCESS WALTZ of 『Valkyrja』 (後編) ギルガメッシュ 253 王たちの狂宴(前編)
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THE KING OF FIGHTERS 2001 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず つーさうざんどわん】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 アーケード(MVS)、ネオジオ 販売元 【AC】サン・アミューズメント【NG】プレイモア 開発元 ブレッツァソフトイオリス 稼動開始日 2001年11月15日 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 従来のシリーズから全体的な品質の低下投げっぱなしのストーリー公式黒歴史キャラ「K9999」キャライメージ崩壊のイラスト調整不足を通り越して穴だらけのバランス格ゲーの歴史に残る凶悪キャラ「フォクシー」本作から後継会社へ。むしろ出たこと自体が奇跡 THE KING OF FIGHTERSシリーズ THE KING OF FIGHTERS 2001 ストーリー 概要 キャラクター システム 問題点 対戦バランスの調整不足 CPU戦の難易度 ストーリーに関する批判 描写・演出面 その他問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 SNKの版権と各後継会社について 問題キャラ・K9999 移植(ネオジオROM以外) ストーリー 『ザ・キング・オブ・ファイターズ2000』開催中、衛星兵器ゼロ・キャノンにより1つの街が消失した。 これは人工衛星の落下事故と報じられ、各国の新聞の一面を飾った。 何らかの事故がつきもののK.O.F.は中止の声も少なからずあったが、皮肉なことにこのいわくつきの格闘大会は再び人気を取り戻していく。 それは、97年の大会と同等かそれ以上に過熱していった。 世界規模で行われるこの大会だったが、懸念すべき事実もあった。大会にエントリーした、ネスツチームの存在だ! 大会主催の真の目的は?今年も、あの惨劇が繰り返されないという保証はなにもない… 概要 SNKの対戦格闘ゲーム『KOF』シリーズ8作目にして、ネスツ編完結編。 本作は旧SNK倒産後でその年の年内に、その旧SNKの版権(知的財産権)が、プレイモアを始めとする後継会社(企業や版権周辺について詳しくは「余談」の項目にて)に受け継がれた後に発売された、その後継会社における新規ゲームの第一弾。 本来なら旧SNK倒産直後という時期もあって出るはずが無かったKOFの続編であるが、韓国のイオリス社が旧SNKスタッフのいる会社ブレッツァソフトに出資することで実現した(*1)。以上のような事情や状況下に短期間で開発、発売されたこともあり、前作までは一貫して夏に発売・稼働開始していたが、本作はシリーズで初めて秋に稼働開始したことで伝統が途切れ、以降は作品ごとに稼働開始の時期が異なるようになる。 なお8作目ではあるが、OPではこれまでのネスツ編同様、ドリームマッチの『KOF 98』を除いて「EPISODE 7」と銘打たれている。 キャラクターイラストは前作までの森気楼氏が前作『2000』を最後にカプコンへ移籍したため、新たにノナ氏が担当している。 キャラクター 新キャラには * マークを、復活キャラには * をつけている。 主人公チーム K マキシマ ウィップ 麟 日本チーム 草薙京 二階堂紅丸 大門五郎 * 矢吹真吾 庵チーム 八神庵 セス ヴァネッサ ラモン ネスツチーム クーラ・ダイアモンド フォクシー * アンヘル * K9999 * 餓狼伝説チーム テリー・ボガード アンディ・ボガード ジョー東 ブルー・マリー 龍虎の拳チーム リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ タクマ・サカザキ 怒チーム レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル ハイデルン * サイコソルジャーチーム 麻宮アテナ 椎拳崇 鎮元斎 包 韓国チーム キム・カッファン チャン・コーハン チョイ・ボンゲ メイ・リー * 女性格闘家チーム 不知火舞 キング 李香緋 * 四条雛子 ボスキャラクター ゼロ(オリジナル) * イグニス * 本作も前作『2000』に引き続き、新規参戦の客演キャラクターが1人も存在しない。 キャラクターにおいて、エディット専用枠が初登場した『 97』以降としては、初めてエディット専用枠が登場しなかった作品となった(シリーズ全体を含めたら『 96』以来)(*2)。 中ボスとして登場する本作のゼロは、前作『2000』に登場したクローン体のオリジナルと言う設定で、専用ストライカー3人(クリザリッド グルガン 龍)とのチームを組んでいる。 最終ボスはイグニス。こちらはストライカーを持たずに単独で出場する。 システム 前作に引き続き4人1チームだが、出場キャラとストライカーを自由に編成できるタクティカルオーダーシステムが導入。 このシステムにより、戦闘に出せるメンバーの人数が1~4人までの可変となり、KOF初の4on4バトルが実現され話題を呼んだ。 パワーゲージの最大ストック数はストライカーの数+1本。ストライカー数が多いほど短く(溜まりやすく)&最大ストック数が多くなる。 ラウンド総数やダメージ補正も彼我のメインメンバー数に応じて変化する。 なお、CPU戦でのCPU側は、ボス2名を除き、戦闘メンバー3人+ストライカー1人の組み合わせで固定されている。 MAX超必殺技は2本ゲージを使用していつでも発動可能に。本来の消費ゲージ+1本でスーパーキャンセルも可能。 ワイヤーダメージやどこでも判定の追加。 『 99』『2000』にあったカウンターモード及びアーマーモードは廃止。 シリーズの中でも本作はカウンターヒットのダメージ上昇幅が大きい。その代わりなのかこの作品のみカウンターヒットのテロップ表示がなく、画面が一瞬フラッシュするだけなので追い討ちするためのヒット確認が難しい。 通常投げはダメージが非常に低くなった代わりに投げ抜けが困難に。 代わりにコマンド投げの威力は従来より高め。 気絶のシステムが廃止された(*3)。 前作の「アクティブストライカー」は「キャンセルストライカー」へと変更された。 ストライカーボムは削除され、呼び出しは1回(1人)につきパワーゲージ1本消費する方式に変更。 ストライカーを呼び出せる状況が「こちらの攻撃が相手にヒットし 地上仰け反りorガード状態 になっている」のみ(例外有り)と、前作より厳しい制限がかかり、ほぼ攻撃専門のシステムに。 さらに、ストライカーヒット後追撃を入れた場合、ダメージとゲージ増加量に大きな補正がかかるようになった。 条件次第でストライカーを2人~3人と連続して呼び出すことができる。 その他 この作品から、シリーズ恒例の演出であった「控えていた次のキャラクターが登場する際に、画面外から飛んでくるシーン」が廃止された。 控えのメンバーが『 97』以来に名前ではなく顔アイコンで表示されるようになった。また戦闘中のメンバーも名前が表示されず顔アイコンのみで表されるのも本作が初。 半ば仕様となっていた飛び道具をガード不能にするバグが削除された。 『 99』や『2000』で採用されていたバトルアビリティーなども撤廃され、『 98』までの従来のスコアシステムに戻る。 既存の必殺技の多くに調整が入った。京、紅丸などはそれが顕著。 複数のキャラに、インストカードに載らない隠し超必殺技(MAX超必殺技)が追加。その多くは演出、コマンド、性能が独特なものとなっている。 ランキングにおいて、『 97』以来に「キャラクター使用率」が復活。しかし以後もまた削除され、その後UM二作(『 98』『2002』のリメイク)で採用されたのみ。 問題点 対戦バランスの調整不足 旧SNKが倒産し後継会社発足直後という体制すら整っていない中でしかも納期(年号通りの年内)以内の発売・稼働に無理にでも間に合わせる急ピッチでの開発だったせいで、対戦バランスが調整に時間をまともに割く余裕すらなかったことがあからさまに解る出来となっている。以下に本作のバランスを壊しているキャラクターや永久コンボの代表例を紹介する。 「フォクシー」 シリーズ通して比較的不安定気味なバランスに慣れていたファンをして「KOF史上最強キャラ」「存在自体がバグ」とまで言わしめたキャラクターであり、対戦バランスを完全に崩壊させてしまう程の性能を持つ。 異常に強い空中ふっとばし攻撃、強力な連続技持ちで場合によっては単独即死コンボ可能、小足を連打するとガード不能になるバグ、対空技にほとんど隙がなく完全無敵、地を這わない飛び道具は全て潜り抜けられる等々、対戦システム上弱点といえるものがほぼ無い。 一応、初心者でも猛威を奮うことができるようなお手軽なキャラ(*4)ではないものの(*5)シリーズ過去作や格闘ゲーム経験者でさえあれば使いこなすのも割合簡単で、このような使い手にかかればちょっと練習するだけで猛威を奮えた。 その強さたるや、大会での使用禁止は勿論、一般のゲームセンターですら「フォクシー使用禁止」の張り紙が珍しくなかった程である。 永久連続技永久なので当然だが決まればミスしない限り即死であり、殆ど全ての格闘ゲームで対戦バランス崩壊の要因になるもの。他のシリーズ作品と比べても多く存在してしまっている。 画面端でダウンした相手に、包のしゃがみ前Dやキムの覇気脚が入り続ける。 雛子:(屈B→遠立B)×n。 クーラ:(強レイスピン→スタンド→近立C)×n。 他にもメイや、庵なども永久コンボを持っている。 これらの永久のほとんどは、ごく初期の時点で発覚した。特にクーラの永久は基本コンボから簡単に派生できるため実戦的で決める機会が多く、入力も簡単なため、やろうと思えば中級者でもほぼ確実に即死に至る。バランス崩壊キャラ・技が多々見られる本作の中でも、フォクシーと並んでよくわかりやすい例として出されるほど。逆に包やキムの永久はレシピだけ見れば非常に簡単だが、入力が間に合わないとそこで途切れるため、実際に即死まで至る例は案外少ない(しかも包は画面端へ運べる技に乏しく、強制ダウンを奪える技がDの通常投げしかないため、実戦では決まりにくい)。庵やメイは連続技のレシピ自体が高難度であり実行できるプレイヤーが少ない。 特殊な例としては、アンヘルが「画面端で、{アンチェインフィニッシュ技のクラウン アンダー ザ スカイ→浮かせた相手に弱レプンカムイ(空キャン)→8A→6B}×n」というレシピの永久を持つが、これは本作の連続技の中でも屈指の高難度であり、実戦で完走させようものなら拍手すら起こる事があったほど。 一方でこのアンヘルは食らい判定がおかしく、京、大門、マキシマ、テリー、アンディ、クラーク、チョイ、メイ達からは逆に専用の永久コンボを貰ってしまう。しかもこちらは画面端で同じ技を出し続けるだけで出来るために遥かにお手軽。 にもかかわらず、アンヘル自身の技の性能は総じて高い。このキャラだけの独自仕様となる「アンチェインサークル」を使った連携が非常に多彩で、複雑で技量がいるものの使いこなすとかなり強力。加えて先程記した通り、屈指の高難度だが画面端での永久持ち。なのでキャラランクはむしろ高い方である(それでも本作屈指の強さのフォクシーやクーラ、ハイデルン、麟辺りと比べると霞んでしまうのもまた事実だが)。 永久やフォクシーを抜きにしても、技の仕様や性能の調整が行き届いているとはお世辞にも言い難い。 特に例に挙げられるのが『 98』以来久々の復活を果たしたハイデルン。過去作では必殺技が高性能な代わりに溜めを必要とするものが多く動きが制限されがちで、出したい時に出すには慣れと経験が必要なタメキャラだったのだが、本作ではなんと波動昇龍型のコマンドキャラに変貌。 結果「タメコマンドだからこそ割りに合っていた性能の高い技を、いつでも出し放題」という、明らかに誰でも「リスクとリターンの釣り合いが取れておらず、強すぎる」と首をかしげたくなる仕様で登場しており、さらに各技の性能も「弱体化されてないどころか、むしろ強化されている」ため(クロスカッターが『 98』同様の高い位置を飛び、非常に攻撃判定が大きい上に隙まで小さくなっている、ムーンスラッシャーに長い無敵がついた…など)、永久コンボの類は一切ないものの、かなり際立った強キャラとなっている(それでもフォクシーに比べたら霞んでしまうのだが…)。勝利メッセージでも「私にブランクはない」と発言しており、そういった意味では間違っていないかもしれないが…。 本作をプレイしたファンの間ではコマンデルン(コマンド+ハイデルン)、またはコマデルンと呼ばれることもある。 結局それらの技については本作限りとなった。後の作品では一部技を除き、従来通りのタメコマンドに戻されている(*6)。 これらバランス面での問題点は、PS2単体の移植版で幾つかが調整を受けて弱体化 仕様の変更や廃止がされた。 例:フォクシーの小足(しゃがみB)連打でガード不能になるバグが修正・削除されたり、クーラのレイ・スピン絡みの永久コンボが削除されたりなど。それでもフォクシーを始めアーケード版で驚異の強さを誇っていたキャラは基本的に相変わらず驚異の強さではあるが、多少はアーケード版よりは改善されたとも言える。 CPU戦の難易度 ボスに辿り着くまでは「難しすぎず易しすぎない」楽しませるためのバランスとなっており特に問題ないのだが、ボスが凶悪すぎる。 ラスボス「イグニス」 KOFは(主に初期を除いて)基本的にCPU戦の道中の難易度が難しすぎず易しすぎない絶妙な調整で安定している一方で、ボスキャラが『(CPU専用ということもあって)かなり強力な性能またはAIを持つ』のが恒例ではあったが、本作のラスボスである「イグニス」は その双方において最強 と言われる。 追撃判定が残ったまま吹っ飛ばす技を多数所持+ほとんどの必殺技から必殺技にキャンセル可能=波動拳コマンドの技を連発するだけで永久(即死)コンボになるなど、各性能の高さはシリーズ内でも次元が違うレベルに至っている。しかもAIも永久を使用してくることがある。 パワーゲージは表示されてないが、『 96』のラスボスのゲーニッツみたいに「超必殺技使い放題」の無制限というわけではなく、単に表示されてないだけで内部でカウントはされている(*7)。しかしゲージの溜まり具合が異常であり、一例を挙げると「チェーンブレイド・サジタルエッジスライス(昇龍系の対空技)一回でゲージ二本分も溜まる」という、明らかにゲームバランスを度外視したレベル。結局のところ「ゲージ制限があるように見えて、無いようなもの」と言える。そして超必殺技の性能も非常に高い。超反応により一瞬の隙を突かれて画面暗転から超必殺技で葬られたプレイヤーは数知れず。また、中ボスのオリジナルゼロも同様に、異常にゲージが溜まり易い。そしてゲージが見えない。 パラメータもあからさまに高い。特に防御力が凄まじく、タクティカルオーダーで「1人 3ストライカー」または「2人 2ストライカー」にしないと与えられるダメージは雀の涙になってしまう。こちらのキャラが負けると当然ながら体力回復もあるので、戦う人数を増やせば増やすほど厳しくなるバランス。しかし、だからといって1人出場だと、一度立ち回りをしくじるだけで即終了まであるのでリスキー極まりない。 一応、過去作でも凶悪なまでに強いされてるボス達の例に漏れず(*8)、攻略パターン(所謂「ハメ」)がないわけではない。例を挙げると、クーラやヴァネッサ、チャンなどダウンを奪える下段スライディング技を持つキャラは、イグニスがその技を何故かガードしないという弱点を突けるので、それだけでイグニスをハメ殺せる。また、キングに至っては、二連射式飛び道具のダブルストライクをなぜかイグニスがガードしないという特徴があるので、それを出しているだけで簡単に勝ててしまう。前述の4人以外のキャラは、一度ダウンさせれば、イグニスの起き上がりにあわせてハイジャンプでイグニスを飛びこすとほぼ確実に技を出すので、その隙を突いて裏から攻撃してダウンを奪う…の繰り返しで勝てる。他にも有効なのは、接近してから後転をするとダッシュで寄ってくるので、そこにダウン可能な突進系の技(拳崇の龍連牙地龍など)を当てる。起き上がったらまた接近して…の繰り返しであっさり倒せてしまう。しかし運が悪いかタイミングが少しでもズレると手痛い反撃を食らうどころか、最悪喰らい判定を残して浮かされた状態に超必殺技や先程で述べたような永久にまで持っていかれて、即死、なんていうことも日常茶飯事である。 キャラクターのドット絵は描き込まれており、CVには若本規夫氏を起用していたりと、凶悪すぎるAIと性能はともかく見映えはいい。また彼のBGMも人気が高い。 なお、美形デザインは出資したイオリス社からのしつこいまでの命令であった事が後年スタッフから明かされている。もっとも、これ以降のSNKプレイモアは後述のメイ・リーも含め「人気キャラを狙ったがウケずに外す」と言うことを何度か繰り返しているので、結果的に正解だったかもしれない。 ファンの一部からは彼のことを「天からお塩おじさん」と呼ぶ人もいる。これは彼が放つ超必殺技の一つ「ブルータルゴッドプロジェクト」のモーションの最後に「望み通り・・・天から堕ちよ!」と言うボイスが若本氏の発声の癖やボイスのサンプリングレートの所為か最後の部分が「 天からお塩 」に聞こえてしまうことから来ている。 ストーリーに関する批判 ネスツ編を締めくくる最終章であるにもかかわらず、従来のシリーズに比べて作中でのシナリオの薄さが指摘される。 ネスツという強大な組織を相手にしてきたネスツ編だが、今作において幹部でありボスではなかったイグニスが他の幹部とボスを粛清して組織を掌握、結果的にイグニスさえ倒せばいい状況に向こうからしてくれるという、打ち切り臭の強いシナリオとなってしまった。 主人公チームのエンディングも抽象的で簡素なもので、ようやく組織から解放され普通の生活に戻っていく際にここから人生が始まる事を指して言った台詞「俺たちの本当の戦いはこれからだ」もあって、まんま少年漫画の打ち切りと揶揄された。 完結を優先したせいで伏線の放置も多い。 サイコソルジャーチームはネスツ編だと「龍の気」に関わるストーリーを展開していたが、エンディングではネスツ側にいた龍が、ラスボスのイグニスと共にいた謎の女性のミスティを連れて「龍の気があればネスツなんてどうでもいい(意訳)」と語っている程度で、龍に大きく関わる「飛賊」も大して触れられておらず、結局謎のままで終わっている。 先述の「龍の気」など一部の要素については、後に「あるスタッフが『後で何かに使えるかも』と伏線を張っておいたが、引き継ぎを行わず退社してしまったためストーリーを展開できなくなってしまった」と開発スタッフより内幕が語られている。言うまでもなく、倒産のごたごたも影響しているようだ。KOFシリーズポータルサイトの龍の紹介ページでは、「旧SNKの倒産により、龍が生みの親の手を離れることになってしまい、開発を引き継いだスタッフが、元担当プランナーと通勤電車で会う度に設定の聞き取りを行なった」という涙ぐましい経緯が語られている。 描写・演出面 様々なグラフィックが路線変更されているのだが、ファンからは「酷すぎる」という評価が相次いだ。中でも『キャラセレクト・対戦中の顔グラ』、及び『リザルト画面でのイラスト』が特に批判の的に。 リザルト画面のイラストは、ジョーが尻出しをしている上にパンツが画面外に見切れてしまっているためもはや規制が必要なレベルの全裸に見えたり、アンディがやたらとデコを強調したり、紅丸がやたら変人扱いであったり、チャンが鼻をほじくってたりと、明らかにデフォルメを通り越してやりすぎ…というか、見るに堪えないレベルのシーンが多々存在する。 いくら格闘家になったとはいえ、ユリは『龍虎の拳』シリーズのヒロイン……のはずだが、リザルト画面では口を大きく開けて、鼻の穴を見せるという美少女キャラらしからぬ顔芸を見せる始末。キャラセレクト画面のイラストもアホ面丸出しで、ヒロインらしさは欠片も感じられない。公式絵はこちらを振り向きながら笑顔でウインクを行うというイラストでそこそこ出来がいいだけに悪目立ちしてしまっている。 シャンフェイも対戦前および対戦中の顔グラが中々に酷い。前者は中華まん(らしきもの)を食べている最中で食べカスらしきものが飛んでおり、後者は口を大きくあけたアホ面である。リザルト画面のイラストはそこまで悪くなく、むしろ出来が良い方なのだが...。 キムに至っては、このシリーズでの偽善者設定が飛躍したのか完全に悪人面になっており、リザルト画面でも偽善者そのものになってしまっている。 開発側がキャラクターをいじると言う事はたびたびあるが、本シリーズではキャラの人気も重視されているのに、『これでは単にキャラ性を損なっているだけ』と感じるファンが多かった。 リョウのようにキャラセレ・リザルト両方そこそこ評価がいいイラストもあるが、こういった評価の低いイラストに埋もれてしまった感もある。 さすがに非難が集中したせいか、もしくはイラストにあるもはや全裸にしか見えないジョーの尻出しがソニーチェックではねられたのか本当の理由は定かではないが、PS2単体移植版ではリザルト画面のイラストは全て公式イラストに差し替えられている。 また、リザルト画面にある勝利メッセージの台詞文章自体にもいくつか、明らかに文法がおかしくてちゃんと文章になっていなかったり、これまでのシリーズの設定的に矛盾していたりする点が散見される。 例:ハイデルンが「格闘技者」と意味不明な単語を使っていたり、ウィップの名付け親であるクラークが、ラルフが呼んでる(と同時に命名しようとして本人から嫌がられた)呼称の「ムチ子」と呼んでしまっているなど。(*9) 韓国市場を考慮し、スポンサーのイオリスから「韓国版アテナのようなキャラを作ってほしい」と言われて誕生した「メイ・リー」も評価が高くない。 「韓国チームのジョンがしょうもない理由(後述)で入院したため、穴埋めとして参加した正義の味方を夢見るキムの弟子」と言う設定だが、「新キャラと言う点を含めてもキャラクター的に印象が薄い」「イラストが可愛くない」「別に彼女でなくジョンで良かった」などの要素が評価を下げている。 本作のストーリーやエンディングはキムとジョンの確執に終始しており、ここでもう少しキャラを深められれば評価はもう少し高かったかもしれない。因みに、KOF発の韓国チーム(キムチーム)の女性キャラクターは『KOF XIV』のルオンを待つことになる。(*10) デザインは当時韓国で人気のあった『仮面ライダー』と『ど根性ガエル』を組み合わせた色物。日本はおろか韓国ですら人気が低いという噂もあるほど。 無論、彼女が好きなファンもいる…が、本作の評価が悪く、プレイモア以降のネスツ編『2001』~『2002UM』間にしか登場してないせいもあって、知名度やキャラの掘り下げに関しては、はっきりいって悪い。 技名には多くの元ネタがあり、担当声優繋がりでエロゲー等からも取られている。『2002』では更に加速。 これは後述のように、メイ・リー並びに『2001』に限った話ではないが。 背景やシンプルかつ明色のインターフェイスは単体として飛び抜けて悪い訳ではないが、これらも従来のシリーズに比べると劣化が見て取れるため評判は良くない。 数パターン存在する「背景にモブが沢山いる背景」はドット単位で描いているような部分が多く、影の配置がアンバランス(明色の部分が多い)で視認性が悪い。近くのモブは顔は描かれていないものの色の主張が激しく、こちらも邪魔になりがち。 ちなみに、これらの背景のいくつかは、スタッフロールでの制作者名が「?」になっている。 『2000』では水族館や大きなプロペラのある工場など、大胆かつ影の当たり方を正確に捉えた美麗な背景が特徴的であり、ネスツ編の暗さも相まって視認性・デザイン性共に高いレベルのものであった。ほぼ職人芸の域のため流石にハードルが高すぎるのもあるが。 これに関しては、家庭用移植版にて、DC版では旧作の好評だった背景をいくつかそのまま収録、PS2版では3D化してリメイク・あるいは描き直しするなどしてある程度改善された。 BGMも前作までから更に雰囲気を一転させ、全体的に暗い旋律が多いミニマル調のBGMが多くなっている。 今まで以上に地味な印象を拭いきれず、一部のファンからは「お経」「チープ」と呼ばれるなど、多くのファンに受け入れられたとは言い難い。 単曲で聴くとループが短かったり個性が薄かったりするが、曲として破綻しているものは少ない。後述のボス戦曲のほか「HIT ME!」や「無敵の炎」など、個性的ゆえ印象に残りやすい曲もしばしば。 その他問題点 バグが多いことで有名なKOFだが、それは本作でも相変わらずである。 有名なものは、メイ・リー使用時に起こる通称「ピョン吉モード」と呼ばれるバグ。 パワーゲージが3本以上ある状態で三連脚を使用し、その技中にメイ・ジ・エンドのコマンドを入力すると、画面がMAX版超必殺技使用時の反転状態になり、三連脚のような技が出た後に発動する。内容はメイ・リー・ダイナミック!のコマンドで流月臨脚を空中で出したような技となり、ヒット時は相手がフリーズし追撃も可能になる。さらにメイ・リーブレイクのコマンド(遠くでも空中でも可能)を入力すると、ゲームそのものがフリーズしてしまう。 + その他バグ一覧 庵の超必殺技・八稚女の最中に相手の体力が0になった時、追撃として出せる豺華を遅めに出して空振りさせると、相手は体力0のまま生き残る(ゾンビ状態)。 また、その状態の相手に八稚女をガードさせると、相手は行動不能になる。ゲージが255(MAX)になる事も。 同時投げを仕込んだ後、ジャンプ攻撃をキャンセルして空中必殺技を出そうとすると、必殺技が出ずにその場で宙に浮く。ジャンプしたり相手の攻撃を受けない限り、浮いたまま移動したり地上攻撃を出すことができる。 画面端でSTユリの攻撃1段目を当てた瞬間に通常投げをすると投げたキャラが空中浮遊する。 香緋でパワーゲージが2本未満の時に、ダッシュ直後に万泊後宴を決め、ACボタンを押しっぱなしにすると、そのままのポーズで横に滑っていく。 雛子も同様の条件で「がぶり寄り→大一番」を入力すると、しばらくの間相手が食らいポーズのままで行動不能になる。 ヴァネッサで残り体力が0の相手にMAXクレイジーパンチャーをガードさせると、相手は行動不能になる。 ハイデルンのD投げがなぜかクラークの声になる。 賛否両論点 非常に癖の強いノナ氏へのキャラクターグラフィック担当の変更 「画力は高いがデフォルメが強い」と評価されているが、絵師としての実力自体は問題ないレベルである。しかし、写実的な絵を描く森気楼氏に比べると非常に個性的・独創的で、今までの絵に慣れてきたファンに受け入れられたとは言い難かった。ちなみにノナ氏は、KOFに携わるのは本作が初だが、旧SNK時代からの社員の一人ではあり、かつては同社の『餓狼伝説』シリーズにおいて主にデモグラフィックのデザインを担当しており、そちらの評価は高かった。 例 八神庵 森気楼氏 ノナ氏 一因としてはスタッフ間の連絡不足があったようで「初期設定やスタッフの『こういうイメージで描いてほしい』という要望」と「シリーズを重ねるうちに確立された個性やファンの持つイメージ」のうち前者しかノナ氏に伝わっていなかった模様。 例えばロバートは「財閥の御曹司」「女性に関してはユリ一筋」と言う設定なのだが、公式ムックでは「マフィアの息子で女たらし、らしいんですけど」と発言をされている。恐らく、スタッフからの指示が「マフィアっぽい色男をイメージして描いてください」といった感じのものだったのだろう。「『あしたのジョー』の矢吹丈と『デビルマン』の不動明を足して2で割った感じのデザイン」の京については「『デビルマン』の不動明がモチーフになっていると聞いたので悪人顔に描いたら没になった」という旨のコメントをしているため、(倒産直後のゴタゴタも影響したのだろうが)ノナ氏に十分な資料が渡らなかったことが窺える。 公式ムックのスタッフインタビューでは、『 94』からスタッフとして携わってきた今作チーフデザイナーの山崎氏が「京についてはデザイナー間では(悪人顔の)没絵の方が評判が良かったのだが、森気楼氏の描いた京のイメージが定着していることもあり『行き過ぎ』と判断された」「『(お前が描いた一枚の絵に合わせたら何百枚ものドットが描き直しになるわけだが)どっちを取るんだ、分かってるのか』とノナ氏と衝突することがあった。結局包の帽子やアンディの衣装などは『こっちの方がいい』となったので数百枚描き直したが」といった旨の発言をしており、ノナ氏の描く自由な絵と、ドット絵修正の手間やファンのイメージとのすり合わせに苦労したことが覗える。 『’94RE-BOUT』の初回特典と付属した冊子のノナ氏のインタビューからもスタッフから聞き取った情報を頼りにしていたことが覗え、「『(キャラクターのイメージを)一度開発当初のコンセプトに戻そう』という方向性で話が進められていたこともあり、結果的に現在のファンのイメージとは大幅にかけ離れてしまった」と語られている。 なお、『2002』でもこの問題が尾を引いたらしく、イラストとキャライメージの乖離はさらに加速した。 急にベリーショートへの変貌を遂げたアテナ 過去作からの通例でほぼ毎回衣装が変わり、ネスツ編からは作品毎に髪型も変わっていた、KOFの女性キャラの中でも一際高い人気を誇る麻宮アテナだが、本作ではなんとベリーショート(通称ベリショ)というこれまでのイメージとは程遠い髪型に変貌。その急激な変わりぶりは特に過去作からのファンからは賛否が大きく分かれた。 勿論この2001のベリショアテナを気に入っているファンも存在するが、長年続いているシリーズでその中でも特に人気の高いキャラの一人、そして基本ストレートロングヘアであることが多かったキャラであり今回それが急にベリーショートに変わったため、ファンの中には拒絶反応を示した人もいた。 なお、髪を切ったのはこれが初ではなく、『 99』ではボブカット姿を披露しており、こちらも多少の賛否が見られた。 ちなみに本作においてスポンサーから「韓国版アテナを」という注文で作られたメイ・リーもベリーショートであり、「それとタメを張らせるためにベリーショートにされたのでは」という噂も流れた。 不評な意見も目立ったのか、本シリーズにおいては次回作以降は衣装変化は引き続き行われていながらも、髪型は『 98』以前と同様のストレートロングヘアで固定となっている(*11)。 もっとも、以降の作品でも、実在するアイドルのパロディが随所に目立って盛り込まれたりなど、アテナというキャラへの賛否両論が飛び交う状況が続くことになるのだが...。 ワイヤーダメージシステム システム自体は評価されているが、元々強い技に付加してしまったのがまずかった。 ただでさえ強いフォクシーの空中C+D(カウンターヒット)や紅丸の反動三段蹴りなどの技のリターンをさらに激増させ、バランスを崩す原因となった。 次回作以降はしっかり調整されて受け継がれ、以降のシリーズの定番となった。 タクティカルオーダーシステム ガチの対戦では攻撃力・防御力補正やゲージシステムの関連上、「[メイン2] 〈ストライカー2〉」の組み合わせが鉄板。次点で、従来と同様の形式である「[3] 〈1〉」が何とか入り込んでくる程度。 ストライカーが使えず、ゲージがたった一本しか溜まらないせいでMAX超必殺技も使えない上にそのたった一本のゲージも溜まるまでが長すぎるせいで大幅弱体化する「[4] 〈0〉」は効率が悪すぎて、ゲージ効率や攻撃力・防御力補正は目を見張るものがあるものの1人倒されただけで敗北となる「[1] 〈3〉」はあまりにもハイリスクなせいで、どちらも出番はほぼ無しとなってしまう。結果としてオーダーの自由度を広げることはあまりできなかった。 ただ遊びや手加減、CPU戦では他の組み合わせを選ぶ余地は出てくる。尤も、肝心のCPU側はボスを除き「[3] 〈1〉」の組み合わせしか使ってこないが…。 「[2] 〈2〉」や「[1] 〈3〉」は人数の少なさから、選択した側がやられると試合がすぐに終わってしまう。特に「[1] 〈3〉」同士の対戦は1Rだけで決着するので、プレイ時間があまりにも短くなってしまう。 一方で一人プレイでは乱入対策の他、練習キャラやストーリー用のキャラに重点を置くためなど少なからず役立つ事もあった。 キャンセルストライカー 呼び出せる条件や各種補正が厳しいため、前作のように適当に呼び出すだけで脅威ということは無くなり、戦力にするにはそれなりの知識と腕が求められるようになった。だがゲージを使えばストライカーを一度に複数呼び出せる事から、うまく使用する事でほぼ「1 3」限定だがリンチのようなコンボを作れる。実際に弱キャラである京も、腕さえあればストライカーで補って10割コンボ、という事ができる。公式ムックのスタッフインタビューでは「実戦でのきっかけ作りが難しければ即死コンボもありだと考えているが、ストライカーなしでも戦えるようにはバランス調整している」と語られているのだが、実際には複雑な仕組みを理解できた上級者ほど強力なコンボを扱えるということになり、初心者お断りな感が強くなってしまった。 多人数コンボも一部が強力すぎ、バランスを崩す要因に。しかも強キャラ陣は揃いも揃ってストライカーとの相性がよく、それらの凶悪さを加速させてしまった。 『 99』で導入されて以来常に賛否両論を巻き起こしてきたストライカーシステムだが、本作での評価も微妙なものに留まり、不要論を跳ね除けるには至らなかった。 もちろん、「独自の連続技を作れる自由度の高さ」「複数メンバーが一度に干渉するからよりチーム戦を前面に出した演出ができる」などの特徴もあってか、このストライカーシステムを気に入ってるファンも存在するが、やはりバランス面で対戦ツールとしての実用レベルに仕上げるのは数作品に渡って手を施しても叶わなかったようで、結局以降の作品でも導入されていない。開発期間があれば『 97』と『 98』が、『 96』までのシステムを発展・調整を施し見事に昇華させた結晶の成り得たものだったように、ネスツ編のストライカーシステムも昇華させることもできたのかもしれないが…。 評価点 一部のキャラ人選は評価されている。 旧キャラが幾らか復活し、その中でも『 98』を最後に欠場していた大門五郎やハイデルンの復活は喜ばれた。 アンヘルは性格と極めて露出の高い衣装がそこそこの人気を獲得し、風当たりの強い新キャラ勢の中で気を吐いた。声優にも富永みーな氏(*12)を起用しており、力の入れ具合は窺える。次回作以降は声優を変更されているため、「本作の声のアンヘルが良かった」というファンもそれなりに多い。 操作キャラクターの総数は40人。これは裏キャラクターを除けばシリーズ歴代最多であり、これを越える作品はリメイクを含めた場合でも2008年発売の『 98 ULTIMATE MATCH』(通称『 98UM』、『 98』のリメイク版)、2009年発売の『2002 UNLIMITED MATCH』(通称『2002UM』、『2002』のリメイク版)。リメイクを除外した場合はなんと15年後の2016年『XIV』(14)まで待つことになる。(*13) その一方で根強い人気のある藤堂香澄の不参加、ネスツ編の新キャラとして登場しつつも「アテナの幻覚を見て自ら車道に飛び込んで入院」と言うあんまりな理由で退場したジョン・フーンには非難の声も。 もっとも、KOFシリーズは「(格ゲー出身キャラが中心だが)全SNK作品のオールスター大会」をコンセプトに始まったシリーズ、つまりSNK出身のキャラなら基本誰にでも参戦のチャンスがあるとも言えることや、オロチ編以降はストーリー上で死亡・消滅した、封印されたキャラも出て来たりしたこともあって、固定されたメンバー以外の入れ替えはかなり激しく、新キャラ登場や欠場していたキャラの復活に伴い既存のキャラがリストラされることは仕方ないとも言える。 ちなみに2003年に発売された『EX2』でもジョンは事故で入院している。本作の事故の入院が長引いたと言う訳ではなく、「もう一度」入院したと言う事である。 新キャラの格ゲーキャラとしての楽しさ。 アンヘル、K9999、メイ・リー等の新キャラは癖があるもののやり応えのある独特の操作感であり、操作キャラとしての人気は高い。 ストライカーを絡めた戦法、連続技も、バランスはともかく組み合わせが非常に多彩で、プレイヤー間での研究はそこそこ盛り上がっていた。 本作で変更及び追加されたシステムのいくつかは、後のシリーズに良い影響を与えた。 ワイヤーダメージやスーパーキャンセルがそれにあたる。特に後者の仕様は本作で確立されたと言えよう。 複数のキャラに追加された超必殺技(MAX超必殺技)も、庵の豺華などは好評により以降の作品でも使用された。 基本的にシリーズ内でもあまり評価されなかったBGMだが、光る曲がないわけでもない。 特にシンプルな旋律ながら最終決戦前の緊迫感を表現している中ボス戦BGM『0』と、本作の中では派手な曲調のラスボス戦『我こそ最強』の二つは、『2002UM』で完全新規曲に差し替えられたことについて「新曲のクオリティ自体は非常に高く不満はないが、若干の寂しさを感じる」という声もあった。 これまで曲を担当していた新世界楽曲雑技団は旧SNK倒産に伴い解散しているが、本作も一応元新世界メンバーである幡谷政彦(PAPAYA)氏と幡谷希久子(KIDON)氏が曲を担当している。その影響か、本作の楽曲は初期作(特に 94)の面影を感じさせるものが多い。尚、本作から幡谷政彦氏が『2003』までメインコンポーザーを務めている。 少し気の利くユーザーへの配慮がある。 チームごとのカラーでキャラセレ画面で色分けされていたり、KO後の演出をスキップできたり、2回戦目以降のメンバー設定の時に前の設定を引き継ぐか選べたりなど。 一部の設計は後のシリーズにも受け継がれた。 そして何よりも、短期間でゲームを作り上げ後作に繋いだ事は評価されている。 会社倒産によりシリーズ継続は完全に絶望視されていた中で突貫でも作り上げ、現在に至るまでシリーズを継続させた功績は大きい。 同じ旧SNKの『餓狼伝説』シリーズも、現時点で最終作となっている『餓狼 MARK OF THE WOLVES』の続編が実は倒産間際まで開発されていたが、倒産に伴うスタッフ離散や資料消失などの影響で最新作の開発が頓挫している。本作についても資料消失の影響があったのか、多くの伏線が放置(あるいはなかったことに)されてしまったが、一応の決着を付けられただけでも奇跡的だと言えるだろう。 シナリオについても上記のように薄さや伏線放置の問題はあれど、ネスツのボスとの決着も付け、ネスツ編完結編として一応の形にはなっている。 ここで一応とはいえシナリオを完結させた事で次回作『2002』でのシナリオなしのお祭作品や『2003』以降の新章にも違和感なく移行できている。 総評 KOFシリーズは元々対戦ツールとしてよりも(これまでのうち、バランス面でも非常に優れた『 98』は例外とする)、キャラクターやストーリー、サウンドなど演出面の魅力によってファンに愛されたシリーズである。 本作は、主要な問題点であるバランスの悪さに加え、そういった良質なBGMやドット絵の表現力などが失われ、多くのファンの反感を買う結果となった。 本編シリーズ中で最低クラスの評価を受けることが多い本作だが、最低限のものは受け継ぎ、独自の光るものも確かに存在する。 バランス・ビジュアル・ストーリーどれもが問題だらけだが、一部の新キャラクターや必殺技・新システムなど、本作で生まれた新要素の中には確実にファンの心を掴み、その中には現在の最新作にも採用されているものもある。名作シリーズの後継作としては大問題だが、何もかもが否定されたわけではない…そんな表現がピッタリだろう。 だからこそ当時のKOFプレイヤー達は本作を「KOF」の新作として受け入れ、今後の作品展開に期待と不安を抱いていた。 会社やスタッフの当時の状況はもはや窺い知れないが、ここまでの完成度にもっていくだけでも並々ならぬ苦節があったのだろう。 低レベルとなってしまったが、紛れも無いKOFの正統シリーズ…それがKOF2001であった。 余談 小説版KOF2001 後に嬉野秋彦氏による公式小説「MORE THAN HUMAN(上巻)」「THE GODS THEMSELVES(下巻)」が発売され、ゲーム本編より遥かに設定を理解しやすいためこれを正史として扱うファンも多い。 特にK9999やウィップについてはかなり詳しく補足説明がされており、2人の出自に関する詳しい設定は小説版が初出である。 嬉野氏はMVS版の発売直前、大阪まで行ってスタッフの方々にいろいろとお伺いしてきたとのことで、それが大きく反映されている。特にウィップについては、あとがきにて「裏設定のような感じでウィップの出生の秘密をスタッフの方から聞いた」と語られている。 また、小説版に書かなかった裏設定として「クーラ+保護者ふたりはもともとロシア支部の人間だった」等の世に出ていない情報も存在するとブログで語っている。 ガチ対戦では先述通り「2 2」チームが多かったため1戦のサイクルが早く、オペレーターにはインカム面で好評だったらしい。 発売前には新キャラクターは「ジェラルド・コークス」「エレン」「神崎宗摩(かんざき・そうま)」「パース」の4人という誤情報が広まった。 実際の製品版とはかけ離れた完全にガセ情報であったのだが、上記のように旧SNK倒産直後でKOFの続編が出るかどうかも疑問視されていた時期であったこともあってか、不確かな情報ながら広く拡散されてしまった。 後に『THE KING OF FIGHTERS XIV』で「バース」という新キャラクター(もちろん上記のパースとは全くの無関係)が登場した事でこの事を思い出した当時のプレイヤーもいた。 発売前に、とあるメーカーの直営店でないレンタル部門管轄にて、営業所が都市圏・関東・東北・北海道合わせて一本しか入荷しないというので怒鳴り合いの取り合いにまで発展した事がある。これはレンタル部門が限界ギリギリの状態で予算削減しての結果だったが、いざ発売されると売り上げが芳しくなくたらい回しにされたという逸話がある。 韓国企業出資ということもあってかテキストに韓国語が追加、韓国チームに至ってはキャラクターボイスも韓国語で収録されている。 ただし、MVS起動時のソフトディップで特定の設定をしたときだけテキスト項目にKOREAが表示される、ボイスもテキストを変更したときに連動で変わる仕様のためほぼ知られていない機能となっている。ちなみに2002にも引き継がれている。 SNKの版権と各後継会社について 本作の販売を受け持っているサン・アミューズメントやプレイモアも、旧SNK社員が立上げた会社であり、ブレッツァソフトの起業とほぼ同時期に事業を開始している。(*14) なお、プレイモアは設立当初は旧SNKの系列会社という立ち位置であった。 そして、プレイモアは会社設立から約3ヶ月後の2001年10月30日(*15)の入札で、旧SNKの所有していた知的所有権を破産管財人より一括で譲渡を受けている。これによりプレイモアは前述のサン・アミューズメント、ブレッツァソフトと共に、旧SNKの後継会社として本格的にスタートを切った。 その後は2003〜2005年にかけて、プレイモアはSNKプレイモアに社名変更、ブレッツァソフトとサン・アミューズメントもSNKプレイモアの元に吸収される形で合流し一本化。さらにその後に紆余曲折を経て2015〜2016年、中国の某企業が筆頭株主になったことで中国資本が参入、社名も旧SNKと同じSNKになり、ここで名実ともに2代目SNK(新社)となって今に至る。 問題キャラ・K9999 + 長いので畳み 草薙京の9999番目のクローンという設定(*16)で登場する新キャラ「K9999(ケイ・フォーナイン)」だが、名作漫画及びアニメ映画『AKIRA』に出てくる「島鉄雄」そっくり。 「そっくり」と一言で述べても、その度合いは想像を遥かに超えているもので、具体的に挙げると、声優が同じ佐々木望氏である事もさることながら、セリフ、プロフィール、動き、技名、勝ちポーズと、なんと全てが露骨に似せられている。あまりにも高い原作再現度を評価している『AKIRA』ファンさえ存在する。 そのことに関連しているのかは不明であるが、2002年に『AKIRA PSYCHO BALL』という、『KOF』側のキャラのアテナの技名「サイコボール」からとったと思しき『AKIRA』のゲームが出されている。 元々は『装甲騎兵ボトムズ』の主人公、キリコ・キュービィーの様なキャラになる予定だったという。髪の色や衣装にその片鱗が見て取れる。しかし続編の2Pカラーは…。 なお、当時の格ゲーにおけるパクリパクられはこの作品、あるいはSNKに限った話ではない。イメージの借用、技名のパロディネタはもはや常態化していたと言っても良い。特に同じ格ゲーメーカーであるカプコン相手はほとんどお互い様と言えるレベルであり、むしろ両社が互いのパクリを許容しあっていたと言っていいくらいだろう。 本作でもK9999以外にも数多くのパクリネタが存在するし、『2000』以前のKOFシリーズや、『月華の剣士』など他一部の作品もそれは同様。もちろん、SNK以外の格ゲーメーカーも、多くのパクリキャラを登場させている。そして、そんな業界でさえ、K9999だけは黒歴史化したと言う所に本作の凄まじさはある。 例えばKOF公式サイトでは、スタッフによるキャラの裏話や個人的感想などのコメントが書かれているのだが、かつてK9999のページではスタッフのコメントも伏字だらけと色々な意味で触れるのが怖いキャラとなっていた(参考・当時のアーカイブ)上に、サイトリニューアル後はさらに自粛で文章が大幅に短く編集され、終わりには「う~ん、本当にコメントが難しい…」とお茶を濁すようなコメントで締めくくられている(参考)。また、キャラ紹介でもリニューアル後は彼一人のページのみイラストが消された上、キャラクター紹介本である「キャラクターエンサイクロペディア」でも彼だけがシルエットのままなど、事実上の黒歴史となっている。 そのためK9999は『2002』を最後に登場しなくなり、リメイク版の『2002UM』ではよく似た性能の新キャラ「ネームレス」に出番を譲る形になった。 例外としてPS2版2002UMに収録されているネオジオモード(無印2002)では普通に登場している。 これ以外にも、(後述の「移植」でも紹介するが)2007年にNEOGEOオンラインコレクションシリーズのうち一つとして発売された『KOF ネスツ編』に『2001』が、筐体をミニ化しての復刻が2016年頃から流行った際にSNKからも発売したネオジオミニシリーズ(2018年〜)やネオジオアーケードスティックプロ(2019年)にも『2001』『2002』が収録されており、配信サービスであるアーケードアーカイブスのアケアカNEOGEOシリーズのうち一作として『2001』と『2002』も配信されたりなどでK9999登場作の移植はされており、K9999本人も確りと登場している。少なくとも彼の登場作2作の移植自体に関しては問題ないようである(完全NGなら移植すら不可能なはずである)。 さらに、約15年後に発売されたナンバリング14作目の『XIV』には完全新キャラの一人として、「ネスツの残党であり、かつてはネスツ内で不良品扱いされていたが後に隠されていた潜在能力を開眼させた」という、K9999と似たような境遇・設定を持つシルヴィ・ポーラ・ポーラが登場している。前述のネームレスが「性能」を継承し似せたのであれば、このシルヴィは「設定」が似ている、といったところだろうか。 格闘ゲーム以外では、恋愛ゲーム『デイズオブメモリーズ(DOM)』シリーズにK9999らしき面影が少しだけ出ている。こちらも名前が出ているわけではなく、あくまでそれらしき描写に留まっているが…。 『僕と彼女の熱い夏』(DS版では『DOM1』収録)では、名前や姿こそ出ないがK と対立する不良として「あっち行ってろぉ!」や「てめえも往っちまえ!」などK9999のような台詞を喋るモブ不良が登場している。ちなみにアンヘルっぽい不良もいる。 『僕と彼女と古都の恋』(DS版では『DOM3』収録)では、相棒アンヘルがヒロインとして登場した際にK9999っぽい姿のヌイグルミが登場している。あくまでヌイグルミなのでギリギリセーフだったのだろうか。 DOM以外の作品ではソーシャルゲーム作品『SNKドリームバトル』『KOFバトルフェスタ』の2作品でK9999本人がまさかの参戦を果たしていた。 ちなみに、後者の作品で参戦が決定した際に、同作でナビゲーターを務めている舞から「いろいろと大丈夫かしら…(汗」とコメントされていたのだが、彼の参戦後に両作同時にサービスが終了する事になってしまった。本当に彼が原因なのか、終わりかけだから彼を参戦させたのかは不明である。 一方で『2003』や『KMAXIMUM IMPACT』シリーズに関わったFALCOON氏は 「みなさんが思っている理由で彼が封印されたわけではない…ということです。」「みなさんが思っている理由が本当の理由なら封印されるべきキャラクターは他にもゴマンと居る。」「そういう意味でもK9999の封印理由は実に特異でした。」とTwitterにて述べており、KOF公式サイトでの扱いも控えめな理由が『AKIRA』絡みの問題ではない可能性もある。 参考リンク1 2 リメイク作品である『2002UM』を除いてもアンヘルが『XIV』で、メイ・リーほかの『2001』出典キャラがスマートフォン向けアプリ『KOFオールスター』や『KOF 98 UMOL』で再登場している現在においてもK9999の封印理由は不透明なままである。 『XV』で意外な展開を迎えるまでK9999については多くの議論が交わされることになった。 また、彼に関する余談・ネタとして、超必殺技の「てめぇも往っちまえ!!」をCPU戦で相手にヒットさせた時、入るスコアが異常に高いというものがある。 そのため、一人プレイでハイスコアを狙うスコアアタック目的の際は必須のメンバーでもあった。 これによりランキングもK9999一色に染まる結果になり、元からある鉄雄そっくりな存在感に加えてランキングにおいても稼げるメンバーとしての存在感を誇り、より目立つことになってしまったとも言えるが…。 ちなみに、彼の超必殺技のコマンドは前述のものと「月…」の2種類とも、あのギース・ハワードのレイジングストームと同じ独特なコマンドとなっており(*17)、「レイジングコマンド」と呼ばれるくらい他のキャラや技に採用されるのが非常に珍しいため異例であった。 移植(ネオジオROM以外) 【DC】THE KING OF FIGHTERS 2001(2002年12月26日 発売元:プレイモア) DC版ではパズルゲームモードや過去作の背景、今作のアレンジ背景などが収録されている他、ボスキャラも使える。 ボスのイグニスとゼロはサバイバルモードを全42人抜きで解禁される。ただし使えるのは対戦・プラクティス・サバイバルのみ。 チームも組むことができず、ゼロは他に誰を選んでも強制的にチームメイトが専属ストライカー3名に変更、イグニスは誰を選んでもイグニス一人固定になる仕様。その後の移植版はボスを使えるモード等は異なるものの、これらのボス絡みの特殊システムに関しては共通仕様である。 パズルモードは前作DC版のジグソーパズルから打って変わって、本格的な対戦型落ちものパズルゲームとなっている。本編のシングルモードのように使用キャラクター1名を選んで勝ち進んでいく対戦形式の内容で、さながらカプコンの『スーパーパズルファイターIIX』のようにキャラクターがブロックの設置や消去に応じてアクション演出を繰り出すというもの。背景などは本編のグラフィックをそのまま流用している。 正方形型に組まれた4個1組のブロックを落とし、同じ色を4つ以上つなげると消えるルール。試合開始時に予め配置されたフィールド内のブロックを先に全て消すと勝利。フィールド自体は『テトリス』等の一般的なパズルゲームに準じているが、画面が上下分割されてフィールドが横向きかつ互い違いに配置されており、1P側は左から右に、2P側は右から左にブロックを落とすという独特の画面構成になっている。ターン数経過とともに1段ずつ徐々に底がせり上がっていくという要素もある。 連鎖や、ゲージを消費するキャラクター別の超必殺技(*18)などの逆転要素などもあり、中々に遊べる出来である。何故唐突にKOFの落ち物パズルが収録されたのかという疑問点はあるが。 ステージが多数追加されており、本作での各ステージの別バージョンの他、過去作からの復活ステージも収録している。 のちに「ドリコレ」として廉価版が発売。 【PS2】THE KING OF FIGHTERS 2001 (2003年10月23日 発売元:SNKプレイモア) PS2単体版は新規OPに差し替え、背景が3D(というより多重スクロール)化されて綺麗になっている。 問題点の項目のバランスにおける問題点で記したように、このPS2版単体版では幾つか対戦バランスを壊していたバグや技や性能の仕様に修正や調整が入り(フォクシーの小足連打でガード不能になるバグやクーラのレイ・スピン絡みの永久が削除されるなど)アーケード版よりは多少は改善されている。 後述の隠し要素として解禁されるボス2体が下記パーティーモードを除く全モードで使用可能になった。それに加え、ゼロ専属ストライカーだった3名(クリザリッド・グルガン・龍)を他のキャラのストライカーにも使用可能になった(これらはPS2単体版限定の要素)。 ゼロとイグニスはDC版同様、任意のチームを組めない特殊なキャラクターとなっている。 ゼロ専属ストライカーの3名はキャラクター選択画面にきちんと並ぶものの残念ながらメインキャラクターとしては使用できず、オーダーセレクト画面で自動的にストライカーに回される。 PS2単体版の独自要素として、キャラクターセレクト画面、試合中の顔アイコン、勝利デモ画面の絵が全て公式イラストと同じもの(ドット絵ではなく高画質取り込み)にことごとく差し替えられている。 アーケード版のグラフィックは上述のようにジョーのほぼ全裸や一部の表情が特徴的な変顔過ぎて不評だったこともあり、差し替えについてはやむなしと言われる一方で、あらゆる場面で全て同一の公式イラスト流用になってしまったことで面白みがなくなったと取られることも。 隠し要素はパーティーモード(いわゆるサバイバルモード)で何人抜きしたかに応じて解禁されていくが、全ての要素を解禁するためにはなんと200人抜きしなければならない。 これだけ読むとじゃあ単に200人抜きすれば全要素が一気に解禁されるかというとそうではなく、実際は初回から200人抜きしたとしても解禁されるのは最初の10人抜きのものだけとなるので、全ての要素を出現させるために都度プレイ数も重ねて何度も繰り返さなければならないため(最低でも14周)、とんでもなく面倒な作業になる。(*19) DC版のサバイバルとは違いCPUは非常に弱いため(特に序盤の敵は棒立ちして何もしてこないことも多い)倒し続けるのは楽ではあるのだが、このせいで単に相手が多いだけの作業になってしまっており、解禁作業が終わった後はサバイバルモードとしてもあまり役に立たないので存在意義が薄い。さらにこのモードに限り隠しキャラは使用不可。 【PS2】ザ・キング・オブ・ファイターズ~ネスツ編~(2007年4月19日 発売元:SNKプレイモア) 後に発売されたPS2のNEOGEOオンラインコレンクション『ザ・キング・オブ・ファイターズ~ネスツ編~』は、『 99』『2000』とともにネオジオ版ベースとDC版ベースの移植版が両方収録されている。こちらには上記のPS2単体版の追加要素はなく、OPやイラスト等もAC準拠のまま。 DC移植版については隠し要素が最初から全て解禁されている上、ボスキャラクターが全モードで使用可能になっている。 もちろんDC版限定だったパズルゲームもそのまま収録されており、格闘ゲーム本編だけでなくパズルゲームの方もオンライン対戦することができた(オンライン機能は2010年終了)。 その一方で、本作収録のDC移植版3作共通事項として原作よりも音質が低下しており、特に『2001』については一部音割れが見られる等、この点では評価が低い。 ネオジオ移植版はネオジオモードとして収録しており基本的にそのまま。というか今作はDC移植版がメインのためか、移植版はそのまんますぎるほどベタ移植であり、設定項目も非常に少なく不親切なため、あくまでもオマケである。 特に今作については差異が少ない上に、ネオジオモードはキーコンフィグすら出来ないので、ネオジオ版をプレイする意義もほとんどない。 過去のDC版やPS2単体版に存在しなかったアレンジBGMが追加されているが、原曲より良いとはいえ、元の曲の事もあって評価は微妙な所である。 【PS4/Switch/One/Win】アケアカNEOGEO ザ・キング・オブ・ファイターズ 2001(2018年9月27日 配信元:ハムスター) アケアカNEOGEOとして配信。 同シリーズの他タイトルと同じくアーケード(MVS)版ベースの移植。
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機械割 設定1 96.8% 設定2 98.6% 設定3 99.9% 設定4 104.0% 設定5 109.1% 設定6 114.2% THE KING OF FIGHTERⅢ TOPに戻る
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game name THE KING OF FIGHTERS 2001(ザ・キング オブ ファイターズ2001) /name !--xml作成:okabe -- driver type = "generic" neogeo /driver romlist archive = "kof2001" rom type = "code" offset = "0x0000" 265-262_decrypted-m1.bin /rom rom type = "adpcm" offset = "0x000000" 262-v1.bin /rom rom type = "adpcm" offset = "0x400000" 262-v2.bin /rom rom type = "adpcm" offset = "0x800000" 262-v3.bin /rom rom type = "adpcm" offset = "0xc00000" 262-v4.bin /rom /romlist titlelist title code = "0x02" 00 NEOGEO起動音 /title title code = "0x21" 01 ネスツ肉体改造計画のテーマ<オープニングVer1.0>(OPデモ~タイトル) /title title code = "0x7f" 02 COIN /title title code = "0x22" 03 ネスツ肉体改造計画のテーマ<オープニングVer2.0>(30秒タイトル) /title title code = "0x2f" 04 ネスツ肉体改造計画のテーマ<操作説明>(操作説明BGM) /title title code = "0x30" 05 HIT ME!(プレイヤーセレクト1(通常)) /title title code = "0x31" 06 HIT ME MORE!(プレイヤーセレクト2(乱入後)) /title title code = "0x25" 07 BIG PAIN(主人公チーム) /title title code = "0x26" 08 無敵の炎(日本チーム) /title title code = "0x27" 09 不滅の日輪(庵チーム) /title title code = "0x28" 10 アタシの鞭(怒チーム) /title title code = "0x29" 11 ALL OK!(餓狼伝説チーム) /title title code = "0x2a" 12 極限ファイト(龍虎の拳チーム) /title title code = "0x2b" 13 THE QUEEN OF FIGHTERS(女性格闘家チーム) /title title code = "0x2c" 14 ネスツ闇の支配社(ネスツチーム) /title title code = "0x2d" 15 サイコなやつら(サイコソルジャーチーム) /title title code = "0x2e" 16 ネリチャギ(韓国チーム) /title title code = "0x32" 17 闘魂No.1(勝利演出画面BGM) /title title code = "0x34" 18 闘魂No.2(乱入(HCC画面)) /title title code = "0x35" 19 ネスツ肉体改造計画のテーマ<デモVer1.0>(初回デモ) /title title code = "0x36" 20 ネスツ肉体改造計画のテーマ<デモVer2.0>(中ボス前デモ) /title title code = "0x23" 21 0(ゼロBGM) /title title code = "0x37" 22 ネスツ肉体改造計画のテーマ<デモVer3.0>(中ボス後大ボス前デモ) /title title code = "0x24" 23 我こそ最強(イグニスBGM) /title title code = "0x38" 24 ネスツ肉体改造計画のテーマ<デモVer4.0>(大ボス後デモ) /title title code = "0x3a" 25 THE KING OF FIGHTERS 2001エンディング(喜)(EndingオチB 喜) /title !-- title code="0x00" 26 (現在探索中)THE KING OF FIGHTERS 2001エンディング(怒)(EndingオチC 怒) /title title code="0x00" 27 (現在探索中)THE KING OF FIGHTERS 2001エンディング(哀)(EndingオチD 哀) /title -- title code = "0x3d" 28 THE KING OF FIGHTERS 2001エンディング(楽)(EndingオチE 楽) /title title code = "0x33" 29 闘魂No.3(コンティニュー~ゲームオーバー) /title title code = "0x3e" 30 THE KING OF FIGHTERS 2001スタッフロールBGM(スタッフロール) /title /titlelist /game
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NEOGEOオンラインコレクション THE KING OF FIGHTERS -ネスツ編- SNKプレイモア 2007年4月19日 PS2 キング・オブ・ファイターズシリーズの『ネスツ編』 ザ・キング・オブ・ファイターズ 99 ザ・キング・オブ・ファイターズ 2000 ザ・キング・オブ・ファイターズ 2001 3作を収録して、オンライン対戦にも対応しているし、 各作品共に、ネオジオ版とDC版が、それぞれの移植されてる 廉価版も発売された 関連 NEOGEOオンラインコレクション THE KING OF FIGHTERS -オロチ編- NEOGEOオンラインコレクション コンプリートBOX 下巻
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THE KING OF FIGHTERS 2003 概要 システム キャラクター 問題点 システム上の問題点 ゲームバランス上の問題点 その他の問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 移植(ネオジオROM以外) 概要(移植) THE KING OF FIGHTERS 2003 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず つーさうざんどすりー】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 アーケード(MVS)ネオジオ 販売元 SNKプレイモア 開発元 SNKネオジオ 稼動開始日 2003年12月12日 配信 アケアカNEOGEO【PS4/One/Switch】2019年2月21日【PS4/Switch】823円(税込)【One】840円(税込) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 恐怖のDDコンビしょっぱいSE限界ギリギリの容量で作れたのが奇跡オペレーターへのダメージキモかわいい主人公ネオジオ 年号タイトル最後の『KOF』 THE KING OF FIGHTERSシリーズ キング・オブ・ファイターズ2003を開催いたします 例年通り3人1組の対戦形式ですが、 今大会には新ルールを設けておりますので ご期待ください 皆様の参加をお待ちしております 世界最大規模にして最高水準の格闘大会。その舞台の裏で繰り広げられた数々の陰謀とドラマは、如何なる時も何らかの厚い幕で覆い隠され、大衆の目に触れることはなかった。 そんな因縁を含みつつ、今年もキング・オブ・ファイターズ開催が決定した。大会の主催者はまたしても謎の存在であり、その不透明さを受け、さまざまな場所で、さまざまな憶測が乱れ飛ぶ。しかしそれにもかかわらず、続々と参加を表明する歴戦の格闘家たち。知名度の高い参加者が多数いることを確かめると、それまで慎重だった各メディアも、一斉にKOFを取り上げはじめた。 今大会から導入される新ルール「マルチシフト」。つまり自由交代制の発表を境に、それは社会現象にまで発展し、世界中の話題を独占してゆく。スピーディーな試合展開とチーム単位の戦術が同時に要求されるこのルールを巡り、新聞・雑誌は毎週のように特集記事を組みTVではにわか評論家たちが机を叩いて熱弁をふるう日々が続いた。 「まだまだ世界には、とてつもなく強い連中がいる」牙刀、グリフォンマスク、デュオロン、シェン・ウー。……そして、アッシュ・クリムゾン。彼らの名前がネットを通じて次第に知られるようになったのは、まさにこのKOF騒ぎが契機であったのだ。彼らはKOFに波乱を巻き起こす新星になれるのか?それとも……… 熱狂の日々の中、着々と準備は進む。地方大会のステージが決定され、日程が整い、初戦の地に続々と移動する観客たち。ストリートファイトの雰囲気を演出すべく会場は市中に設定されたが、試合の模様は巨大スクリーンで中継放送されることとなり、期間中、数万人収容規模のスタジアムが、あちこちの都市で確保されてゆく。 2003年12月、時は訪れた。今年も舞台の幕が上がる。 概要 SNKの対戦格闘ゲーム『KOF』シリーズ第10作品目であり、ネオジオ基板で作られた最後のKOFである(*1)。 本作よりメインストーリーの主人公が「アッシュ・クリムゾン」に変わり、後に「アッシュ編」と呼ばれる新たな局面を迎えた。 他、従来の3on3によるラウンド制から、カプコンのVS.シリーズのような任意交代制を取り入れ、全体的に試合展開のスピードが速くなった。 システム 従来はラウンドごとにメンバーを割り振る最大5ラウンド制の試合だったが、今回は3人全員が倒れるまでの1ラウンドだけで決着をつける形式へと変更。チームメンバーがKOされた場合は即座に次のキャラが登場し、ノンストップで試合は続く。 プレイヤーはBCまたはCD同時押しを任意でキャラクターを途中交代させることが可能。一度交代すると、一定時間後に「CHANGE OK!」が点灯するまで再交代は出来ない。 『236+BCまたはCD』では、1ゲージを消費して打撃を繰り出しつつほかのキャラと交代する「交代攻撃」になる。最初に交代前のキャラが打撃を繰り出し、その後交代キャラがジャンプ攻撃のモーションで突進してくる。最初の打撃がヒットした場合、次キャラの飛び込み攻撃も連続ヒットし、更に追い討ちが可能。これにより、複数のキャラが関与する派手な連続技を決められる。これ自体は他の技にキャンセルをかけて出すことはできないが、出が速いものが多いため、本作は交代攻撃を利用した即死連続技も多数存在する。 ちなみに同様のシステムを採用した他社作品と違い、控えキャラの体力は一切回復しない。このため、KOFシリーズで初めて試合中の体力回復が一切行われないタイトルとなった。 交代攻撃に引き換え、クイックMAXを含めてMAXモードは廃止された。そのため前作のような難易度の高いテクニック技は減ったように見えるが、交代攻撃によって初心者には優しくない様な連続技が出来る。 MAX超必殺技に代わり「リーダー超必殺技」という新しい上位超必殺技が登場。キャラ選択時に最初に選択したメンバーがチームリーダーとなり(キャラ決定後にその中からリーダーを担当するメンバーを決める方式ではないので注意)、そのリーダーだけが2ゲージを消費して使用できる。 性能の傾向は前作『2002』のMAX2に近く、実戦で使わなきゃ損なものから、「どうやって当てるんだこんなの?」なものまで様々。同様のシステムを持つ次回作の『XI』でも概念は引き継がれているが、性能の傾向は総じて実戦向きのものに変化している。 また、リーダーシステムは、時間切れによる判定で勝敗を決める際にもわずかながら関わっている。双方とも総体力が同等の場合、次にリーダーが残っているか否かで判定を決めることになり、どちらか一方だけがリーダーが倒されていなかった場合、そのチームが勝利となる。双方とも総体力が同等かつ、リーダーが倒されている、もしくは残っている場合で初めて引き分け。 容量の都合から投げなどキャラごとの技数が減少。最大の変更点は、これまで通常技の一つであったふっ飛ばし攻撃が地上・空中共に廃止されたこと。 通常投げは一種類に統一されたがコマンド自体はCとDの二種類あり、投げ抜け時は同じコマンドを押さないと抜けられない。また投げる方向がCとDとで変わるのは極一部を除いて従来通りだが、前述の通り投げ技自体が一種類に統一された為、技によっては違和感を感じる図になってしまったものも。 一応、地上ガード中にゲージを一本消費して発動できる「ガードキャンセルふっ飛ばし攻撃」は残っている。 キャラクター 新キャラには * マーク(本作初出は太字)、『2001』以前より復活したキャラには * マークを付けている。 主人公チーム アッシュ・クリムゾン * デュオロン * シェン・ウー * 餓狼チーム テリー・ボガード ジョー東 グリフォンマスク * 極限流チーム リョウ・サカザキ ロバート・ガルシア ユリ・サカザキ 韓国チーム キム・カッファン チャン・コーハン ジョン・フーン * 怒チーム レオナ・ハイデルン ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル アウトローチーム 牙刀 * ビリー・カーン * 山崎竜二 * 女性格闘家チーム キング * 不知火舞 ブルー・マリー 紅丸チーム 二階堂紅丸 矢吹真吾 大門五郎 女子高生チーム 麻宮アテナ 四条雛子 * まりん * K チーム K マキシマ ウィップ 三種の神器チーム 草薙京 八神庵 神楽ちづる * (ちづるのみ中ボス、AC版では隠しキャラだったが家庭用でデフォルト化)(*2) 中ボス KUSANAGI(AC版では隠しキャラだったが家庭用でデフォルト化) 神楽マキ(AC版はCPU専用、家庭用で中ボス他2人と共にデフォルト化) ラスボス アーデルハイド 無界(双方とも家庭用のみ隠しキャラとして使用可能) 見ての通り、キャラクター及びチーム編成は大きく一新されている。 『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(餓狼MOW)独自のキャラ達が初参戦を果たしたことで(本作はグリフォンマスクと牙刀が参戦)、『 99』を最後に停滞していた既存シリーズからの客演キャラのラインナップに動きが見られた。 他にも再び衣装が一新され革ジャンにジーンズ姿になった京を始め、ビリーや山崎、そして餓狼MOW準拠になったテリーというようにデザインが変更されたキャラもおり、ロバートはニュートラルモーションが完全新規に、山崎はニュートラルのまま放置した際のモーションが追加されるなど、グラフィックも大きく描き変わったキャラが居る。 中ボスのKUSANAGIの倒し方によってラスボスが変更される。 超必殺技(リーダー超必殺技でも可)で倒すと神楽マキ→無界。それ以外の技で倒すとアーデルハイドと戦う事になる。チーム別のエンディングを見る為には無界を倒さねばならない(*3)。 問題点 システム上の問題点 試合開始直後からプレイヤーがゲージを3本も持っており、いきなりゲージを消費して出せる強力な技を使用できる。おかげでちょっとミスしただけで10秒も経たないうちに体力の半分以上が吹っ飛んだりすることが日常茶飯事。 「初心者への配慮」「最初から互いに派手なプレイを可能にした大盤振る舞い」「本作の目玉である交代攻撃を堪能してもらうためのサービス」「コンピュータ戦のための配慮(*4)」という肯定的な意見もあったが、今作は後述にもあるように交代攻撃による即死も多数発見されたりなどがあったこともあり、むしろ初心者のハードルを高くしてしまい、純粋な評価要素にはなり得なかった。 ちなみに試合の一戦目開始時からすでにゲージ(*5)を持っている仕様はKOFでは初。 ふっ飛ばし攻撃や空振りキャンセル、先行入力が廃止され、操作感が大幅に変化。 重複を避ける方法があったにもかかわらず(*6)そうしなかった辺り、やはり容量の都合だろうか(一応、地上で出すガードキャンセルふっ飛ばし攻撃はそのまま残ってはいるが、空中ふっ飛ばしは後述する特殊技にされた一部のキャラ以外は全員削除)。 一部のキャラのみ固有の「特殊技」としてレオナやチャンのジャンプふっ飛ばしやアテナの地上ふっ飛ばしなどが残されてはいる。しかしキャラによっては、それまでのシリーズで『立ち回りにおける生命線』と言えるほどの依存度だったケースもあり、無くなって非常に苦しくなった例も。 他にも今まで簡単な部分が難しくなった部分が多くシビアになったばかり。評判も芳しくなく、賛否両論とは到底呼べる仕様ではなかった。 本作ではジャンプの着地硬直が長いうえにガード硬直時間を最も稼げるジャンプふっ飛ばし攻撃もないため、相手のジャンプ攻撃をガードしてすぐに交代攻撃を出す事がお手軽な割り込み手段となる。 ほとんどのキャラの交代攻撃は出が早く、さらに出掛かりに無敵時間までついているのが大きい。 本来は「投げ抜けは同じコマンドを入力しないと抜けられない」という設定であるのだが、実は通常投げに対し特殊な入力をすると、相手がどちらのボタンで投げても投げ抜けができてしまう。もっと欲張ると、小技を出しながら両方の通常投げを抜けられるように仕込む事もできる。 ガード耐久値に至っては「交代するだけで初期値に戻る」という仕様になっているため、上記の件を踏まえ最大限にシステムを利用すると、実戦でガードクラッシュを狙うことは極めて難しくなっている。 これらにより、コマンド投げを持たないキャラが待ちに徹する相手を崩す事が非常に難しくなった。 起き上がりなどのリバーサル時にボタン入力の受付時間が非常に短く、相手の起き攻めを回避することが難しい。 連続技のヒット補正も極端に簡略化され、「2HIT目以降に当てた技はダメージ50%」というとんでもない仕様に。 このせいで、補正を無視できる一部技を組み込めないと、折角連続技を決めても非常に火力が低くなる。結果、使い勝手の良い補正無視技を持っているかで強キャラがほぼ決まってしまい、そうでないキャラとの格差が非常に大きい。 コマンド投げの超優遇。 リバーサルがシビアになったにも関らず、ダウンからの起き上がりに投げ無敵がほとんど存在しないため、打撃とコマンド投げの単純な二択が、極めて回避しにくい完全二択になってしまう。 立ち回りでの崩しにくさに対して起き攻めはこのように容易なため、これだけを狙う戦法が最も有効になってしまっている。 そして、このコマンド投げ優遇が恐怖のDDコンビを生み出してしまった。 ゲームバランス上の問題点 本作のゲームバランスを悪化させた要因としてよく語られるのが「DDコンビ」の存在である。 命名の由来は大門(Daimon)五郎とデュオロン(Duolon)それぞれの頭文字を取ったもの。 以下、この両者の特徴を記す。 デュオロン 交代攻撃を利用した即死連続技を持ち、かつ距離調整能力が非常に高い。 高速の移動技を持ちながら遠距離戦もこなせ、バックステップが速く、距離も長い。 近距離戦では小技の発生が早い上リーチも長く、当たればキャンセル必殺技が入り、さらに追い討ちをかけた上で攻めを継続、とあまりにも強力なラッシュをかけることができる。追撃可能なコマンド投げも持ち、そこからも攻めがループしてしまう。 そして画面端限定だが永久連続技まで完備。簡単な択一攻撃で即死を狙う事も可能。 唯一の欠点は超必殺技があまり使えない事だが、ゲージを使わずとも充分な戦闘力があるし、超必殺技を使わずとも本作の目玉でもある交代攻撃との相性も抜群でそれを絡めた即死連続技にももっていけるし、空になったゲージを稼ぐ役目を果たせると考えれば、他のチームメイトにそれだけゲージを回せるためむしろメリットとも言える。 一部ではKOFシリーズ屈指のぶっ壊れキャラと言われており、『 94』のハイデルン、『 95』の京、『2001』のフォクシーに並ぶ程。この三人の強さはバグが支えている為、最も壊れてるのはデュオロンと言えるかもしれない。 闘劇での使用率96%、という数字がその強さ(と異常さ)を裏付けている。雑誌『アルカディア』でも「ワンチャンスからリーダー超必殺技などを絡めて先に相手のデュオロンを倒した側が圧倒的に有利になる」と言われたほど。 大門 これまでに比べて小技の威力が低下したものの、他は何故か全て強化された。 ジャンプ攻撃の後すぐにコマンド投げが連続技として成立という、恐ろしいシステムの恩恵(*7)+コマンド投げ後に距離が離れないという壊れた性能のため起き攻めが極めて凶悪で、一度ダウンしてしまうとそのまま一人K.O.までもっていかれることもある。 さらに足元への攻撃こそ取れない(*8)ものの、コマンドが簡単で発生が異常に早く隙も少ない当身系超必殺技「冥土落とし」を実装しており、他作品に比べて防御面も充実している。 何よりこの冥土落とし、「相手の交代攻撃(交代する側、交代して入ってくる側両方)を見てからでも間に合う」ため、安易な交代攻撃割り込みに対して物凄いプレッシャーになるのが強い。 リーダー超必殺技「極大地獄極楽落とし」もコマンド投げの強化版で非常に高性能。当然の如く1フレーム発生である上、単体で6割のダメージを取れ、そして連続技に組み込んでもダメージ補正がかからない属性持ち。 なお、大門の闘劇使用率は50%。 もはやDDコンビ無しでは勝つ事は不可能とされており、キャラによっては完全に詰むためゲームの幅も狭まってしまった。 結果、多くのプレイヤーがデュオロン+大門+もう一人という組み合わせを選んでいた。主にビリー、K 、紅丸辺りが入る。 ビリーに至っては、総合的には弱キャラにも拘らず「DDコンビに対して有利に戦える」点を買われて選ばれていた程である。K や二階堂 紅丸はそのビリーに対して有利であるため、「DD対策にビリーを入れる」か「ビリー対策にK or紅丸を入れる」かでメンバーがほぼ決まってしまう。 そもそも、大門やデュオロン抜きにしても、本作はアテナやマキシマなどの弱いキャラが本当にとことん弱いため、かなりゲームバランスは悪い。 ボスの片方が異常に高性能。 交代制へ移行した事をボスにも反映させたのか、本作でボスとして登場する神楽ちづる&マキ姉妹も試合中に交代してくる。 しかしちづるに比べてマキが反則的に強い。CPUの反応を差し引いても基本性能がやけに優遇されている。本作の真のラスボスである無界はもちろん、考えようによってはかのゲーニッツ以上である。 その強さは「ちづる&マキ戦では、いかにマキに交代させないかが勝負の分かれ目」と言われるほど。 マキの強さと引き換えということなのか、ちづるの方は分身を使用した超必殺技「三籟の布陣」が「発動中、ちづる本体は行動不能になる」「分身にも食らい判定が付いている」と言う理不尽な弱体化を食らってしまった。 過去作では分身の攻撃中にちづる本体が自由に行動可能だったため追い打ちを掛けたり、ガードされても分身に隠れて小ジャンプ攻撃と下段の2択でガードを崩し途中からヒットさせることができたが、今作のこの性能では使いようがない。 ちなみにそのマキとちづるを退けた末に待つ真のラスボスの無界はというと、知識なしに挑んだ場合はやはり簡単に勝てる相手ではないが(*9)、実は起き上がり直後にガードしないという弱点があり(*10)そこに持続が長い突進技やジャンプ攻撃からの連続技を主に重ねてダウンを奪ってまた前述の技を重ねることを繰り返せば、先述のマキよりも簡単に勝てたりする。 実は性能としては、コマンド投げの「死戒」成立時に石化させて相手の動きを封じた直後、「近距離C→死戒」×nといったお手軽な永久コンボができてしまうのだが、2001のイグニスとは異なり、本作のCPUアルゴリズムがこのような永久を使うことはないのでご安心を。また、家庭用では隠しで使えるようになるのだが、実際に使ってみると、前述の永久やリーダー超必の全画面攻撃「死界」が強力であるものの、歩行速度が鈍重で各技の振りも重く隙が大きいなどのデメリットも目立ち、決してお手軽というわけではなかったりする。 その他の問題点 癖の強すぎるFALCOON(ファルコン)のキャラクターデザイン。 前作までのノナ氏の、画力そのものは非常に高いものの、癖が強すぎて妖気的になってしまったキャラクターグラフィックに批判が集まった事による変更なのだろうが、これまた絵の癖が強すぎる上に、歴代シリーズのキャラクターのデザインも彼の好みで好き勝手に弄くったと取れる旨の発言もあるために、旧来ファンなどからは反発を受けた。 『KOF MI』シリーズでの新キャラにも癖が強いのが多く、リアン、ニノンなど人気が出たキャラもいるのだが、それ以上に滑ったキャラ(代表例:ミニョン、ナガセ)を作って批判されてしまっていた。 ただし、氏のHPやTwitterなどを見てもらえば分かるが、絵のレベルはさすがに高く、プロとして力量に問題があるわけではない。氏の絵柄がKOFファンのイメージに大きく合わなかった事と、上記の発言で旧来のファンの反感を強く買い、叩かれてしまった事が最大の原因である。 KOFは熱狂的なファンが多く、かつノナ氏以前は森気楼氏が安定したデザインを続けておりファンからの支持も非常に高く、「KOFといえば森気楼氏の絵柄だ」というイメージが確立されていたのもあって、絵師に関する反響がとても大きいことも留意しておく必要があるだろう。写実的だった森気楼氏の絵柄に比べると、ノナ氏は「躍動感を出すためのパース強調等が強め」、FALCOON氏は「頭身や塗り方が全体的にアニメ寄り」であり、どちらもデフォルメが強めの絵柄である。絵師に関する批判が収まるのは『XI』『2002UM』/『XⅡ』『XⅢ』などでメインイラスト等を担当する、森気楼氏の弟子でもあるヒロアキ氏や『ネオジオバトルコロシアム』『XIV』のおぐらえいすけ氏(*11)を待つことになる。 ハードの性能と容量の限界すでに旧世代のハードとなっていたネオジオで無理に開発を続けたことによる性能面及び容量(*12)における限界を感じる箇所が目立ってしまっている。 SEは前年度リリースされた『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』からの使い回しであり、同作から全く改善されておらず酷評された。 表現するなら発泡スチロールを叩くような音しかない。爽快感を著しく減退させる事となり、つまらなさを加速させる一因になった。そして好評だったそれ以外の旧作のSEは一切収録されていない。 それ以外にも、過去のシリーズにあった掛け合いやセリフなどの各種演出のカットが目立ち、特に往年のファンには寂しさを感じた人も多い。 一部シリーズ継続の伏線の放棄 ネスツ編から展開された「龍の気」のストーリーは関係者が悉く不参加の為本作では全く進展がなかった。 「龍の気」に関しては担当者がこの件について引継ぎを行わないまま会社を辞めてしまったとのことで、以降の作品においてはサイコソルジャーチーム、またはデュオロンの個別ストーリーで軽く触れられる程度で、本筋として話が進む気配は残念ながらほとんど見られなくなった。 賛否両論点 キモい主人公、アッシュ・クリムゾン 本作からスタートした「アッシュ編」における新主人公であるアッシュ・クリムゾンだが、そのキャラクター造形や設定、台詞などの演出は結論から言うと賛否両論が大きく分かれた。好物はザッハトルテ、趣味はネイルアート、そばかすに歯の矯正、泡の様な緑色の炎を使う、ひねくれた性格、人を小馬鹿にしたような歪んだ表情、そしてまごうことなき溜めキャラ……と、主人公と言うにはあまりに変則的すぎてカッコいいとは言いがたい造形である。 前の章、ネスツ編の主人公であるK も、登場初期は台詞や各キャラとの会話やりとりの演出などで「どこのチンピラだ」等と問題視されたが、それでも格好良さの面ではそれなりに高評価で、以後もストーリーが進んでキャラが掘り下げられていくたびにファンに受け入れられていった。 アッシュはこれまでの主人公である草薙京やK との差別化を図ったのかもしれないが、あまりにも変化球をかけすぎた試み(と言うよりも、もはや暴投の領域)は旧来のファンほど受け入れられず、痛烈な批判を生んだ。 京もK も性格はひねくれている面こそあれど、二人とも義理堅い面や仲間想いの面も併せ持っている為にプレイヤーからの評価は高い。しかし、アッシュは終始他人の神経を逆撫でするような態度をとる性格であることも嫌われる要因になった。 「魅力ある悪役」というコンセプトでデザインされた所謂アンチヒーロー的な側面があり、とあるチームのエンディングでは完全に悪役にしか見えず、ますます印象が悪く映ってしまっている。 今作の主人公チームのテーマBGMのタイトルも「Splendid Evil(華麗なる悪)」であり、悪役としての面が明確に打ち出されている。 ただし気持ち悪いと言われることも狙って作られたキャラであり、一部の層からはむしろ「キモかわいい」なる一見不可解な評価を持ってそれなりに愛されキャラの位置を確立。アーケードゲームを取り上げている『月刊アルカディア』では第五回ベストキャラクター賞にも選ばれるキャラに。 アッシュ編完結作となった『XIII』でついにしっかりと主人公らしい活躍を見せ、嫌っていた層からもその活躍は認められている。 また主人公なのに必殺技は殆ど溜めコマンド、というあたりからもスタンスが読み取れるが、技の構成は旧主人公とは逆に王道的。リーダー超必殺技は一定時間溜め無しで必殺技を出せるようになるというもの(*13)。 とはいえ、続編に登場する度に相手の必殺技を封印する技(XI、前述のリーダー超必殺技を出した時限定で使用可能)、旧シリーズで荒れ狂う稲光のシェルミー(*14)がかつて使っていたものを彷彿とさせる設置技(XⅡ、XIII)とマニアックな技が追加されていき、性能面でもキャラクター造形に合わせてなのか、マニアックな方向性になっていったあたり、やはりと言うべきかとことんなまでに独特さを追求した主人公であったのかもしれない(*15)。 シリーズの常連だったキャラのリストラ。 アンディ・ボガード、椎拳崇、鎮元斎、チョイ・ボンゲといったこれまでシリーズ皆勤だったキャラがことごとくリストラされている。 しかしKOFシリーズは歴史の長さ故に半ばメンバーが固定気味だったというマンネリも背負っており、メンバーの入れ替えによる一新も必要といえば必要。そのおかげで今作で初めて出場できた『餓狼MOW』のキャラ、特にグリフォンマスク等は後のKOFでも出場しており、きっかけとなった本作の評価点とも言える。 とはいえ、『MOW』版のテリー、グリフォンマスクに『MOW』には未登場のジョー東を混ぜる等、チームとしては少々歪な形になってしまった。やはり『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』のアンディ未参戦が影響しているのだろうか。 評価点 ドット絵の画力の向上(復活)。背景のレベルが『2001』や『2002』に比べると格段に上がっている。 過去歴代の作品と異なり、背景は単色グラデーションがメインの作風となっている。イオリス資本時代の2作品よりは背景の描き込みはかなり向上しているものの、やはり『KOF99~2000』の旧SNK末期の作風と比べると賛否が分かれる。 ただし、極限流チームのロバートや主人公チームのシェンはグラフィックの枚数が少なく、明らかに動きがガクガクだったりする等、微妙な格差も目に付く。逆に前述のデュオロンはぬるぬると動く。 BGMのメインコンポーザーとして、旧SNK時代のサウンドチーム「新世界楽曲雑技団」のメンバーだったTATE-NORIOこと山手安生氏が復帰した(*16)。音源は相変わらず低品質だが、曲自体は中々の出来である。また、『2001』からのメインコンポーザーであった幡谷政彦氏も引続き参加している。中でも主人公チームのBGMである「Splendid Evil」はチームコンセプトやステージと非常に良くマッチしており、ダークな曲調ながら格好良い曲に仕上がっている。 なお、これは「問題点」のハード性能及び容量の限界の項目にも通じる話になるが、KOFシリーズポータルサイトでは、「アーデルハイドのテーマ曲のイントロで使用されている『革命のエチュード』をきちんとピアノで演奏されている音に聞こえるようにするにはかなりの容量が必要だったため、ボイスなどそのほかの音源に割り当てる容量をギリギリまで削る必要があった」という裏話が披露されている。 各チームのプレストーリーがしっかりと書かれるように。 チームの結成やキャラの欠場理由、水面下の争いなどがしっかりと書かれており、短めながらも読みごたえがあるものに。 新キャラのキャラクター造形。 基本的に本作から登場した新キャラの魅力は本物。上述のアッシュも、主人公=美男美女が基本であるこのご時世に「むしろ美形かと言えばそうではない」と公式に明言されたデザインのキャラを主人公として受け入れさせたという点を考えると、実はかなりの偉業といえるのではないだろうか。 ただ、前述した通りFALCON氏の公式イラスト、一部キャラのドット絵など、そのワンフックが効いたキャラ造形を上手く表現しきれていないのが惜しい所。 総評 BGMやグラフィックなど前作・前々作と比較して改善された面はあるものの、シリーズの常連だったキャラのリストラや対戦バランスの悪化などで評価を大きく下げる結果となった。 シリーズ過去作でも対戦バランスの悪さが目立っていたとはいえ、もう少し調整に力を注いでいれば評価は変わっていたかもしれない。 余談 この時期、SNKプレイモアは『SVC CHAOS』や『メタルスラッグ5』、そして本作など失敗作を連投し、全てがコケてしまった。 上述した3作のアーケード版は、基板構造が従来のMVS(業務用ネオジオ)と違うカスタム基板(MV-0)であったことも不評の遠因と思われる。 カートリッジ式ソフトが比較的安価、かつ交換も容易なためにMVSはオペレーター側の評判が良かったが、MV-0基板はソフトウェアROMとマザーボードが一体化して交換不可能なタイプだったせいで、オペレーターに過去作以上の負担を強いるハメになった。 こうした理由はMVSカートリッジの違法コピーがアジア地域を中心に蔓延していた(*17)ことによるセキュリティ対策のため(*18)だったが、既に登場から13年経っていたネオジオは隅々まで解析しつくされており、単なる「(ハッキング対策の)時間稼ぎ」にしかならず速攻でセキュリティを突破されてしまった(*19)。 ちなみに本作を含むMV-0を採用した3作品だが、海外版の後期出荷版は通常のMVSカートリッジで少数リリースされてる(*20)。日本でも基板屋や輸入業者によってこの海外のMVSカートリッジ版の新品が大量に売られていたが、国内版のMV-0基板の中古相場よりも圧倒的に安価だった為か、中小オペレーターや基板マニアにかなり需要があった。 当時のプレイモアも流石にこの事情を把握していたのか、最後発だった海外向けMVSカートリッジ版『KOF2003』には国内のMVS基板で起動させても日本語表記にならず、海外版のままで立ち上がるプロテクトを掛けている(*21)。もっともROM内のデータには普通に国内版のデータも入っているので、UNI-BIOS等で切り替えて国内版として起動させる事も出来なくはないが、UNI-BIOSはMVS基板の設定保存には対応しておらず、基板を毎回起動させる度に設定し直さなければならないという手間を要する。従って、国内版としてゲームセンターで稼働させるのは現実的ではない。 また、会社の経営に関するゴタゴタが収まっていない時期だった事も影響したと考えられる。 この年は分散していた旧SNK関連会社の整理(*22)や、資金援助を行うスポンサー的立場で開発にも関わっていたイオリスとの提携解消等、会社が本格的な再始動を果たす前の過渡期であった。開発のSNKネオジオを吸収合併し、SNKプレイモア一社の体制に落ち着いたのは本作発売から約一年後の2004年11月の事である。 いずれにせよ、2003年は同社にとって悪夢の年だったに違いない。 本作の翌年はKOF本編が一旦休止し、基板をATOMISWAVEに変更した『2002』ベースの番外編『KOF NEOWAVE』がリリースされた…が、肝心の出来は正直なところ微妙である。ATOMISWAVEの性能を試すためには必要な作品だったともいえるが。 その後、ようやく2005年に年号を廃しナンバリングとなった本編続編の『KOF XI』が同じくATOMISWAVEで登場。そちらは本作における問題点が相当改善されており、マルチシフトシステムを見事に完成させた作品となった。 今作にも前作『2002』で初めて登場した草薙京の亜種の1人であるKUSANAGIが続投しているが、「ネスツが草薙京を複製する形で大量生産したクローン京の一種」であった前作とは異なり、今作のは「神楽ちづるが八咫の鏡の力で生み出した幻影」となっており、性能や名前こそ前作と同じものの、存在自体は全く別のキャラクターとなっている。一方で、声優が京本人とは異なり岩田光央氏であるのは前作と同じ。 なお、本作でオリジナルの京の衣装が一新されたにもかかわらずKUSANAGIはやはり学ランのままだが、これについて「ちづるの中ではいつまで経っても京は高校生」扱いされているというあんまりな公式設定がある。 今作でのビリー・カーンを演じたのが、かの『デスクリムゾン』のコンバット越前で有名なせいじろう氏という事で一部で話題を呼んだ。(*23) 『KOF MI2』のプロモーション用に制作されたOVA、「KOF Another Day」でも引き続きビリー役を担当したものの、実際のゲーム中では『リアルバウト餓狼伝説』以降の担当声優であった山西惇氏に戻っている。 起き攻めやコマンド投げが異常に優遇されていることは上でも述べられているが、それらが本作の有効な手段とされた攻略の動画も公式で作られている。 闘劇の種目に選ばれているが、前述の受け付けの悪さからかコマンド入力ミスを連発など、全国大会の大舞台らしからぬミスも多々見られた。 移植(ネオジオROM以外) 対応機種 プレイステーション2Xbox 発売・開発元 SNKプレイモア 発売日 【PS2】2004年10月28日【Xb】2005年8月25日 定価 【PS2】7,140円【Xb】5,040円 廉価版 【PS2】SNK BEST COLLECTION 2006年3月9日発売/2,940円 配信 【PS2】ゲームアーカイブス 2015年4月15日発売/1,000円 判定 なし ポイント バランス調整されたアレンジモード過去作同様3on3システムも選択可能アレンジBGMも好評 概要(移植) 「投げに対する無敵時間が延長」「DDコンビが弱体化」などのバランス調整が施されたアレンジモードが搭載され、DDコンビの悪夢が払拭されてそれなりに遊べるゲームとなっている。 中ボスのKUSANAGIと神楽ちづるがデフォルトで使えるようになっており、同じく中ボスでアーケードではCPU専用だった神楽マキも最初から使用可能。さらに、ボスのアーデルハイドと無界もそれぞれCPUとして出現させて倒すと隠しキャラとして使用可能になる。 操作性も改善している。 独自仕様として従来の3on3システム(自由交代無し)でのプレイも可能。このモードではチームメンバー全員がリーダー超必殺技を使える。 背景も3D化され綺麗に見え、またアレンジBGMも搭載してある(しょっぱいSEはそのまんまだが)。 アレンジBGMは音質が桁違いに上がった事に加え、PS2版『怒首領蜂大往生』や『beatmaniaシリーズ』などに携わっているスタッフが参加した事もあり評価が高い。 特に目立ったバグもなく、全体的に見れば良移植である。 ただし、PS2の初期版にはフリーズする致命的なバグが存在していた(ベスト版では修正済)。 Xb版ではカラーエディットを実装している他、ネット対戦に対応していたが、現在はマイクロソフトの旧Xboxオンラインサーバー停止によりネットワークサービスを終了している。
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ザ・キング・オブ・ファイターズ2002 アンリミテッド・マッチ 機種:PS2, AC, XBLA, NESiCAxLive 作曲者:浅井真, 小西輝男, 福田康文 開発・発売元:SNKプレイモア 発売年:2009年(PS2,AC)、2010年(XBLA)、2011年(NESiCA) 概要 総登場キャラ66名にも及ぶ大作格闘ゲーム。今作用の新規キャラとして『ネームレス』が登場した。 『KOF2002』のリメイク版だがBGMはすべて一新された。BGMはツーファイブの作曲家が作曲しており全体的に質が高い。 収録曲 曲名 作・編曲者 補足 順位 Scarlet Cross オープニング Cicatrix ランキング画面 Decision of Fate キャラクターセレクト Celebratory Drink 勝利デモ Accident ! 中ボス登場デモ Spider String コンティニュー Return Match コンティニューサービス KD-0079+ K'チーム「K´/マキシマ/ウィップ」 第4回261位第5回986位第7回976位2009年51位格闘ゲーム36位PS2 126位 ESAKA !! 京チーム「京/紅丸/大門」 格闘ゲーム219位 Sun Shine Glory 餓狼伝説チーム「テリー/アンディ/ジョー」 ART OF FIGHT ~龍虎とツバメ~ 龍虎の拳チーム「リョウ/ロバート/ユリ」 格闘ゲーム219位 DESERT REQUIEM ~Operation02UM~ 怒チーム「レオナ/ラルフ/クラーク」 サイコソルジャー ~Super Chinese Remix~ サイコソルジャーチーム「アテナ/ケンスウ/包」 Destiny 女性格闘家チーム「舞/キング/香澄」 Soul Town ~Ver.Justice~ キムチーム「キム/チョイ/チャン/」 Re Bloody オロチチーム「社/シェルミー/クリス」 2009年96位 butterfly emerges from chrysalis 裏オロチチーム「乾いた大地の社/荒れ狂う稲妻のシェルミー/炎のさだめのクリス」 2009年193位格闘ゲーム154位 Masquerade '97スペシャルチーム「山崎/マリー/ビリー」 Tranquilizer 八神チーム「庵/バイス/マチュア」 2009年60位格闘ゲーム219位 Undercover エージェントチーム「ヴァネッサ/ラモン/セス」 SHINING・BRAVE! 美少女格闘家チーム「メイ/雛子/シャンフェイ」 2009年96位格闘ゲーム110位 In Spite of One's Age ~Ver.Immortal~ マスターチーム「ハイデルン/タクマ/チン」 アジア三国同盟 ジョンチーム「ジョン/真吾/麟」 二律背反~Mutually Exclusive Dichotomy~ クローンチーム「KUSANAGI/京‐1/京‐2」 Ж' (ジェープライム) ネームレス Diamond Dust クーラ・ダイアモンド 2009年193位冬・雪・氷153位 Falling of The Nightingale フォクシー 格闘ゲーム110位PS2 133位 QT★@ngel アンヘル Ground of Desire ボス登場デモ Cutting Edge クリザリッド 2009年193位格闘ゲーム219位 Dark Gravitation ゼロ Testament of Nests ゼロ(オリジナル) Save The Universe イグニス 格闘ゲーム219位 Genocide ルガール登場デモ Unlimited R オメガルガール 2009年164位 LAST FEAST ルガール消滅デモ Trash Head ~春一番~ ゲーニッツ ギースにマスタード ギース R-bite スタッフロール サウンドトラック THE KING OF FIGHTERS 2002 UNLIMITED MATCH オリジナルサウンドトラック 動画
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解説 KING OF MUGEN FIGHTERS、略してKOMF。 3on3のチーム戦。16チームが4ブロックに分かれて予選リーグを行い 各ブロックの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。 各チームの編成には以下の縛りが設けられている。 チーム名にふさわしい選手 同作品で組まない オリキャラは同製作者で組まない 各ゲームのデフォで選択出来るキャラのみ、ボスは含まない 大きな特徴はその調整方法。 まず悪咲3号氏のCVSリュウを基準として4戦し、 勝ち越せばそのぶんatk・def・lifeを10%ずつ減、負け越せば10%増、 以上の調整をリュウと2勝2敗になるまで繰り返す。 どうしても勝てないキャラもいるが、そのときは上限±50%で調整終了。 これにより単なる能力差やAIの優劣によって勝敗が決まらず、試合が最後までわからない。 調整量は詳しいルール説明ともどもOPを参照していただきたい。 KOFだけあって、大会の裏で暗躍する影が……? 出場チーム紹介 + 赤…上方修正 緑…±なし 青…下方修正 名前が赤…上方修正 緑…±なし 青…下方修正 予選Aブロック 『主人公』チーム 草薙京 、 リュウ(III) 、 空条承太郎 『トサカ』チーム ガイル(ZERO) 、 デミトリ=マキシモフ 、 二階堂紅丸 『中華娘』チーム 春麗(III) 、 蔵土縁紗夢 、 レイレイ 『爪』チーム チョイ=ボンゲ 、 ウルヴァリン(MVC) 、 バルログ(ストZERO) 予選Bブロック 『爺』チーム 元(ZERO) 、 鎮元斎 、 ジョセフ 『野生』チーム ブランカ(ZERO) 、 チャムチャム 、 サスカッチ 『ジャパニーズ熱血』チーム ジョー・東(KOF) 、 ジン・サオトメ 、 まこと 『悪党』チーム ソドム 、 ジャギ 、 山崎竜二(KOF) 予選Cブロック 『黒人ボクサー』チーム ヘビィ・D! 、 ダッドリー 、 バイソン(ZERO) 『刀』チーム チャカ 、 ビシャモン 、 高嶺響(月華) 『忍者』チーム 如月影二(KOF) 、 服部半蔵 、 ストライダー飛竜 『投げ技』チーム ザンギエフ(ZERO) 、 ビクトル 、 クラーク=スティル 予選Dブロック 『足技格闘技』チーム エレナ 、 アドン(ZERO) 、 キム=カッファン(KOF) 『お色気』チーム キャミィ(ZERO) 、 不知火舞 、 モリガン=アーンスランド 『銃』チーム バレッタ 、 ロックマン 、 ホルホース 『mugen オリジナルキャラ』チーム ユェン=ソイレン 、 kuando 、 DragonClaw リュウ強すぎワロタ 関連動画 最強の日本人は誰だ!?むげん全国大会 あの日の俺に会いに行く mugen懐古厨大会 mugenで定期的に投げキャラ大会(略) 掛け声トーナメント 三國無双杯 カスプロ! コメント 自分が作った動画の紹介ページが出来ているとは……感激です。ありがとうございます。 -- mak(仮) (2008-04-04 00 16 14) しっかり丁寧に作られている作品。調整にとても努力されているので伸びてほしい。 -- 名無しさん (2008-04-04 21 51 58) 凄く丁寧に作られてる良作。AIインフレ前の06年後半とかに見たら最高だったと思う。 -- 名無しさん (2008-11-11 04 43 13) 調整がしっかりしていてバランスはいいものの、予選がgdgdな試合になりがちなのが惜しいところかな。 -- 名無しさん (2009-05-29 03 02 34) 一瞬カンフーマンファイターズに見えたのは俺だけでいい -- 名無しさん (2010-06-26 19 39 29) 一瞬ビシャモンがガチャピンに見えたのは俺だけでいい -- 名無しさん (2010-10-25 20 22 36) 名前 コメント マイリスト
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